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プレゼント 書評こぼれ話

  今でも本屋さんに行くと
  葉室麟さんの新刊が
  出ていないか
  必ずチェックします。
  今のところ、
  今日紹介する『蝶のゆくへ』が
  一番新しいですね。
  この本は明治期の新しい女性が主人公。
  葉室麟さんがこのような作品を
  書いていたのは
  ちょっと意外な感じがしました。
  葉室麟さんには
  書きたいことが多過ぎたのかもしれません。
  この作品の主人公は
  新宿中村屋の創業者のひとり、
  きっと読み終わったあとは
  新宿中村屋のカリーが食べたくなりますよ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  本を読んでカレーを食べるのもいい                   

 新宿中村屋といえば、「カリー」という人は多いはず。
 今そのホームページを開くと、新宿中村屋と「カリー」の歴史を見ることができる。
 そこにまず登場するのが明治34年(1901年)に本郷の東京大学正門前にパン屋を始めた創業者相馬愛蔵とその妻・黒光の名前だ。
 昨年12月に急逝した葉室麟さんが2016年8月から一年間雑誌「小説すばる」に書いていた本作の主人公がこの相馬黒光(結婚する前の名が星りょう)なのだ。

 りょうは1876年生まれで、この物語は彼女が18歳の春、明治女学校に入学するところから始まる。
 りょうの一生が描かれているので長編小説ということになるが、7つの章はどちらかといえば短編の味わいもあり、連作集といってもいいかもしれない。
 何しろそれぞれの章で、北村透谷や島崎藤村、あるいは樋口一葉といった明治の文化人が主人公のようになって描かれるのだから。
 そして、最後の章ではりょうの娘俊子がインド人の革命家ボースと結婚し、新宿中村屋の名を高める「インドカリー」を生み出すことになる。

 こう書けば波乱万丈に飛んだ相馬黒光の人生を描いたようであるが、それが葉室さんの最後の作品であるなら、とても違和感がある。
 葉室さんは女性を描くのも巧かったが、やはり男性を描いてのことで、女性を主人公にして描いてもそれは葉室さんの世界観とはちがうような気がする。
 本当にこれはが葉室さんの最後に描きたかったものだったのだろうか。

 もしかしたら、葉室さんはこの作品の主人公星りょうに仮託して、もっと違うメッセージがあったようにも感じるのだが。
  
(2018/09/13 投稿)

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