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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日、NHKの朝ドラ「まんぷく」のことを
  書きましたが、
  視聴率も好調なようで
  さすが朝ドラの貫禄です。
  でも、朝ドラも視聴率が低迷した時期があって
  それを救済したのは
  第82作の「ゲゲゲの女房」と言われています。
  漫画家水木しげるとその奥さん武良布枝さんの夫婦の物語で
  主演は松下奈緒さんでした。
  その松下奈緒さんは
  今放映している「まんぷく」で
  主人公福子の上の姉克子を演じていますが
  松下奈緒さんを見て
  「ゲゲゲの女房」を思い出す人も多いのでは。
  そこで今日は
  2009年8月に書いた『ゲゲゲの女房』の再録書評です。
  そして、
  明日は最近出たばかりの
  『「その後」のゲゲゲの女房』を
  紹介します。
  お楽しみに。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  彼女はビビビ??                   

 著者の武良布枝さんは、人気漫画家水木しげる氏の「女房」です。
 氏の代表作といえば『ゲゲゲの鬼太郎』、だから本書は『ゲゲゲの女房』。おかしなタイトルですが、わかりやすい、いい書名です。
 水木しげる氏の著作のなかに『妖しい楽園』(2000年刊)という、氏の身辺雑記をつづった本がありますが、そのなかで氏は「父」や「母」あるいは「子供」については書いていますが、布枝夫人のことには触れられていません。
 唯一、自身の結婚の事情を描いた「結婚」という短文のなかに「長い顔の女がホホ笑んでいる」という文章があるばかりです。水木氏が丸顔だから余計にそう見えたのか、漫画に登場する「女房」も「長い顔」をしています。
 もっとも、本書口絵の「女房」の写真を拝見すると「長い顔」どころか、美人顔で、文章にも書かず、漫画でも揶揄するのは、おそらく水木氏の照れであろうと思われます。
 「ゲゲゲ」どころか、ねずみ男の「ビビビ(美美美)」の女房とお呼びしたいくらいです。
 本書は、そんな「女房」の、青春から今にいたる、一代記です。

 今でこそ水木しげる氏といえば故郷の島根県境港市に「記念館」があるほどの人気漫画家ですが、布枝夫人と結婚した頃は四十前のまだ貧しい貸本マンガ家で、しかも戦争で左手をなくしていました。その男性がこれほどの成功をおさめると、布枝さんは考えたわけではありません。
 見合いからわずか五日後に二人は結婚式をあげるのですが、これなどは現代では考えられないことかもしれない。
 「恋愛に価値があると思っておられる方々には、これ以上の不運はないと思われるかもしれません」と、「女房」は書いていますが、すぐさま「最初に燃え上がった恋愛感情だけで、その後の人生すべてが幸福になるとは、とても思えません」と記しています。このあたりは、現代の「婚活」にいそしむ女性たちはどう受けとめるのでしょうか。

 結婚はしたものの水木しげる氏の経済状況は好転するはずもなく、まして貸本マンガ界も不況にあえいでいました。
 「伴侶とともに歩んでいく過程で、お互いが「信頼関係」を築いていけるかどうかにこそ、すべてかかっていると思うのです」と書く布枝さんは、困窮生活のなかで一所懸命絵筆をふるう水木氏を見てきた「女房」でしたし、漫画週刊誌ブームにのって人気漫画家の仲間入りをした水木氏ではあっても「目を見て話してくれることがなくなったことが、寂しくて」たまらないと感じる、女性らしい優しい「女房」でもあったわけです。

 水木しげるご夫婦の物語は現代の成功物語かもしれません。しかし、「女房」の文章にはそんな奢りはありません。
 『ゲゲゲの女房』とは、「普通では味わえないような、喜びも悲しみも、誇らしさも口惜しさも経験」したことを感謝する、おおらかな「女房」の物語です。 
  
(2009/08/29 投稿)

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