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プレゼント 書評こぼれ話

  本を読む動機はさまざまだが
  娯楽に徹するのもまたいい。
  もっとも娯楽だけに終わらないのが
  読書の愉しみでもある。
  今日紹介する
  柚月裕子さんの『孤狼の血』は
  推理小説としても面白いが
  それ以上のものを感じる。
  最近映画化されて
  今レンタルビデオ店に行くと
  ずらりと並んでいる。
  広島やくざといえば
  かつての「仁義なき戦い」を思い出す。
  あの名作を
  また観てみたくなった。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  さすが日本推理作家協会賞受賞作                   

 柚月裕子さんのこの長編小説は2016年に第69回日本推理作家協会賞を長編部門で受賞している。
 ということは、この作品は推理小説というジャンルに入るのだろう。もう少し狭めたジャンルでいえば警察小説ということになる。
 ただ、暴力団の権力抗争の渦に巻き込まれたはぐれ刑事が抗争が拡大しないよう奔走する話なのだが、読みようによっては若い刑事の成長物語、教養小説として読めないわけではない。
 そのあたりがこの作品の人気の高さの一因にもなっているのだろう。

 舞台は昭和63年の広島。そこに隣接する呉原東署の管内で起こった金融会社社員の失踪事件。
 それに携わるのが暴力団との癒着の噂さえあるマル暴関係の凄腕刑事の大上章吾。そして、彼につく若い日岡秀一。
 大上にはかつて妻と幼い息子を交通事故で亡くした苦い経験があり、その息子の名が奇しくも同じ秀一ということで、大上は日岡を可愛がる。
 しかし、暴力団まがいの大上の捜査方法に納得がいかない日岡であるが、しだいに大上の人間的な魅力に魅かれていく。
 暴力団抗争は失踪事件の決着で落ち着くかと思われたが、別の銃撃戦であらたな局面を迎える。
 そして追い詰められた大上はまさに孤狼の如く、死地に向かっていく。
 その時、日岡は、その背に何を見たのだろう。

 物語は最終盤で日岡がどのような任務で大上の部下となったかが明らかにされる。
 各章の冒頭に記された、削除だらけの日岡の日誌が深い意味を持つ。
 その真実を知った時、この物語の見事に成就するのだ。
  
(2018/06 投稿)

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