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本 今年もいよいよ今日でおしまい。
 大晦日。大つごもり。
 先日発表された今年の漢字が「」でしたが、
 確かに夏から秋にかけての社会の変動は、見事なくらいに、短期間で
 世の中を暗鬱な気分にしてしまいました。
 だから、「変」なのでしょうか。

 あるいは米国の新大統領に選ばれたオバマさんがしきりに「変革(チェンジ)」と
 言っていましたが、
 それに影響された「変」なのでしょうか。

 私にとっても、今年は色々「変」がありましたが、
 そんな中にあっても、
 私にとっての今年の漢字は「」であったように思います。

 こういう時代だからこそ、「学」ぶことを疎かにしてはいけない。
 こういう時代だからこそ、「学」ぶことで新しいものを生み出す。

 そういうことを実感した年だったと思っています。

本 今年読んだ本は、119冊。
 その中で、ベストワンは何だろうと、自分の書評とか読み返しました。
 勝間和代さんの何冊かの本はインパクトがありました。
 城山三郎さんの本にも多くの感銘を受けました。
 川上弘美さんには毎度毎度、ほのぼのさせて頂きました。

 でも、あえて一冊。

 『オバマ語録』を今年のベストワン(まったく個人的な選択ですが)にします。
 政治的なことはよくわかりませんが、オバマさんの強さは、
 人に「夢」を与える強さだと思います。
 そんなオバマさんの「変」革を「学」ばないといけないのではないでしょうか。
 そういうことを考えつつ、
 今年の記憶として、この本をベストワンにします。

本 みなさん、よい年をお迎え下さい。


オバマ語録オバマ語録
(2007/09)
ライザ ロガック、

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sai.wingpen  Yes, we can                     矢印 bk1書評ページへ

 アメリカで初の黒人大統領が誕生した日、私は家で一本の古いアメリカ映画を見ていた。
 映画の題名は「スミス都へ行く」(原題・Mr. Smith Goes to Washington)。監督フランク・キャプラ、主演ジェームズ・ステュワートによる、名作(1939年)である。
 田舎の州から上院議員の穴埋めとしてワシントンに送り出された主人公の青年は、まわりの思惑に反して熱い思いで政治活動を始める。しかし、そんな彼の情熱がじゃまになった関係者たちは彼を議会から追い出そうと排斥運動にでて、主人公の素朴の夢も頓挫しかける。
 田舎に帰ろうとする主人公が訪れるのが「リンカーン記念館」。リンカーンの巨大な坐像のそばにあるのがあの有名な「ゲティスバーグ演説」の碑である。主人公はその一句一句を確かめるようにみつめる。
 余談だが、この「リンカーン記念館」の前でキング牧師の「私には夢があるI Have a Dream」の演説が行われたのである。
 やがて、主人公は女性秘書のアドバイスを受け、自身の身の潔白を証明すべく、議会で延々と演説を始める。いつしかその姿は多くの人に感動を与え始める。J・スチュワートの熱演である。
 ヒューマンドラマここに極まり、という感があるが、これこそアメリカ的といってもいい。
 しかし、そういう夢に対する素朴な情熱を、現実のアメリカは見失っていったのも事実である。素朴な夢がいつのまにか世界のすべてであるといった驕りになっていく。
 だからこそ、今回の若き指導者バラク・オバマ大統領の誕生が、アメリカにどういう未来をもたらすのか、期待が大きい。

 何故、オバマ氏がここまで多くの人を魅了するのか。
 その一因として、演説の巧さがあげられる。
 今回の勝利演説の模様を映像でみた人も多いだろうし、その内容についても大きくとりあげられた。わかりやすく、情熱があり、夢がある。もしかしたら自分たちは本当に変わることができるかもしれないと聴衆に思わせる話術。
 実際にはオバマ氏の政治的な力はまだ未知数だと思う。
 しかし、彼に国を任せてみようとさせる力が、オバマ氏の演説にはある。よくそんなオバマ氏と比較して日本の政治家の話術のへたさが話されるが、語ることの強さ、素晴らしさの認識がどだい違いすぎるのである。映画「スミス都へ行く」を語るまでもなく。

 本書は2004年の民主党全国党大会での演説以降世間の注目を浴びだして後のオバマ氏の多くの場での言動から言の葉をすくいとったものであるが、残念ながら大統領選挙戦での彼の主張はおさめられていない。
 また、収められたそれぞれの言葉がほとんどワンフレーズのため、彼の本当の主義主張をとらえきれていないかもしれない。
 それでも本書が魅力的であるとすれば、オバマ氏のもっている信念そのものが、映画の中のJ・スチュワートのように素朴であり、政治や国や人々に対し夢を持ち続けていることを思わせてくれるからだろう。
 「私の仕事は、人々を励まして、この国の主役にすることです。政治はビジネスではありません。使命です」(2004年3月)や「民主主義は面倒なものですが、その多くは健全なものです」(2006年10月)といった言葉は青臭いかもしれない。しかし、今のアメリカは、あるいは世界は、そういう若々しいものに賭けてもいいのではないだろうか。

 先の大統領勝利宣言でバラク・オバマ氏は最後にこう語りかけた。
 「人々に仕事を戻し、子どもたちに機会の扉を開こう。繁栄を再建し、平和の大義を推進しよう。アメリカン・ドリームを取り戻し、我々は一つであるという根本的真実を再確認しよう。希望を持つことは息するくらい当たり前だ。皮肉や懐疑心に出会ったり、<できやしない>という人に出会ったりしたら、米国民の精神を要約する不朽の信条で応えよう。<私たちはできるのだ>」
 これはアメリカの驕りの名残りかもしれない。しかし、それであったとしても、それがアメリカの国民だけでなく、私たちすべてが共有すべき思いでありたい。

 私たちはできるのだ(Yes, we can)、と
(2008/11/09 投稿)
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