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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  葉室麟さんの紀行文『曙光を旅する』を
  紹介します。
  「曙光」は「しょこう」と読みます。
  意味は「夜明けのひかり」とも
  「暗黒の中にわずかに現われはじめる明るいきざし」とも
  あります。
  葉室麟さんにとって
  現在(いま)という時代はどう映っていたのでしょう。
  今更ながらに
  もし葉室麟さんがまだお元気であれば
  どんなに多くの作品を書いていただろうかと
  思わないでもありません。
  本書の最後に
  「著作一覧」が載っています。
  それを見ていると
  葉室麟さんが疾風の如く
  駆け抜けた作家だというのが
  よくわかります。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  葉室麟さんの最後の旅                   

 葉室麟さんが亡くなったのが2017年12月だから、もう1年が過ぎた。
 亡くなったあとの2018年にも何冊か新しい本が出版されたから、葉室さんがいないこと自体が嘘のようにも感じることがある。
 この紀行文も2018年11月に出て、初出となった朝日新聞の連載の日付を見ると亡くなったあとも連載が続いていたことがわかる。
 もしかしたら、葉室さんはまだどこかで旅を続けているのではないかしら。

 「旅に出ようと思った。」と、葉室さんはペンをとった。
 多少は尊敬する作家司馬遼太郎さんの名作紀行文『街道をゆく』を意識していたかもしれない。
 だから、続けてこう書いた。
 「遠隔地ではない。今まで生きてきた時間の中で通り過ぎてきた場所への旅だ。」
 おそらく司馬さんのように自分は全国の街道を歩くことはできないが、最も自分の身体に合った場所を歩くことで、司馬さんとは違った紀行文が書けるのではないかと思ったかもしれない。
 もし命が尽きなければ、歩いたところはもっと広がっただろうが、歩けたのは小倉、福岡、長崎、鹿児島。荒尾、柳川、奄美、下関、沖縄、水俣、熊本と、ここに書けなかったところも含め、葉室さんがこよなく愛した西国といえる。

 旅の最初に「これからの旅で過去であり、未来でもある風景を見たいと思っている」と書いた葉室さんはまたこんなことも綴っている。
 「詩を読み、人の心が動くとき、世界が変わる。今は、そんな詩人が求められている時代だ。」
 きっと葉室さんは司馬遼太郎さんが詩人だと気がついていたに違いない。そして、自身もまた詩人であらんと願っただろう。
  
(2019/01/05 投稿)

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