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プレゼント 書評こぼれ話

  明日が鏡開きというところも
  あるでしょう。 

    鏡開明日となりぬ演舞場     水原 秋櫻子

  なので、急いで
  年末年始の話を。
  昨年(2018年)暮れのNHK紅白歌合戦見ましたか。
  サザンオールスターズユーミン
  だいぶ盛り上がりましたね。
  私は坂本冬美さんが紅組のトップバッターというのが
  納得いきませんでした。
  坂本冬美さんはトリでもいい歌手ですよ、
  それが最初ではもったいない。
  そして、石川さゆりさん。
  彼女の「天城越え」はまさに絶品。
  いい楽曲持ってますよね。
  で、今日は
  松本清張さんの「天城越え」を
  紹介しようと思います。
  強引だったかな。
  この短編が収録されている
  『黒い画集』は名作ぞろいですから
  これからも何度か登場することになるかな。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  あなたと越えたい 天城越え                   

 初出が昭和34年(1959年)11月の「サンデー毎日特別号」で、文庫本にして40ページの短い作品ながら、何度も映画化やドラマ化されていることから推測すると、映像作家たちの感性を刺激するのであろう。
 書き出しがいい。
 「私が、はじめて天城を越えたのは三十数年昔になる。」
 そのあと、川端康成の名作『伊豆の踊子』の一節を引用するなど、読者の興味をほんの数行で鷲掴みにしてしまう。

 この「私」がこの物語の主人公で、彼が天城を越えようとしたのは16歳の時。下田から天城を越え、修善寺に向かう行程であった。
 鍛冶屋の息子ながらその仕事が合わず、静岡にいる兄を訪ねる、いわば家出行である。
 しかし手持ちのお金も少なく、所詮は子供の夢想のようなもので、途中で引き返すことになる。
 しかも、その帰り道には出会った若い女が同行することになる。
 女のくずれた様子は大人であればどんな職業についているかわかるだろうが、少年にはただ眩しく心をときめかすことでしかなかった。
 ところが、女は途中で出会った土工風の男に近づき、少年に先に行けと指図する。
 女に裏切られたような気持ちで少年はその場を立ち去るしかない。

 物語はそこから一気に三十数年経ち、「私」はある殺人事件の記録を偶々目にする。
 その事件こそ、あの時「私」が出会った男が殺された、そして犯人として疑われたものの無罪となった女の、未解決事件だった。

 犯人が誰であるかということよりも、その犯人の動機こそ、映像作家たちが魅かれる理由なのかもしれない。
  
(2019/01/10 投稿)

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