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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  原田マハさんのアート小説の短編集
  『常設展示室』を
  紹介します。
  昨日紹介した埼玉県立近代美術館にも
  常設展示室があって
  企画展の観覧チケットを購入すると
  この常設展示室も
  鑑賞できるようになっています。
  多分ほとんどのミュージアムがそうなっているのでは。
  なので
  ちょっとのぞいてみるのも
  楽しいですよ。
  新しい発見があるかもしれません。
  今日紹介する原田マハさんのこの短編集、
  なかなかいいですよ。
  泣けます!

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  名画とともに小説を味わう                   

 「アート小説」というジャンルがあるかどうかはよくわからないが、少なくとも原田マハさんが作品として完成させてきたいくつかのものは「アート小説」と呼ばれるし、原田さん自身が今や「アート小説」の旗手とも称される。
 そして、この本もそんな「アート小説」に入る短編集だ。

 登場する絵画は、「盲人の食事」(ピカソ)、「デルフトの眺望」(フェルメール)、「大公の聖母」(ラファエロ)、「ばら」(ゴッホ)、「豪奢」(マティス)、そして「道」(東山魁夷)だ。
 これらの絵画が登場する作品は、いくつかの作品に登場人物が重なることがあるが、連作というよりも、この6つの短編小説はそれぞれ単独で鑑賞することができる。
 気になる絵画や画家がいれば、そこから読むのもいいだろう。

 私のオススメは、短編集最後に収められた「道」だ。
 主人公の翠は美術界のニューヒロインとして成功を収めているが、幼い頃貧しさゆえに養子に出された過去がある。
 彼女の淡い記憶に路上で絵を描いてくれた兄の姿があるが、今ではその行方すらわからない。ただ一度、彼女が学生の頃留学先から日本に帰国した時、路上で絵を売る青年に出合ったことがある。
 青年が幼い頃別れた兄であることに翠は気づかない。
 気まぐれで誘った美術館の常設展示室で二人が観たのが、東山魁夷の「道」だった。
 青年は絵に向き合ったまま、その絵が「多くのものを捨てた」絵だと言う。
 そして、歳月が流れ、翠が審査委員になっている作品展に、ある絵が応募される。
 もしかして、あの時の青年が描いたものでは、翠はようやくそれが誰だか気が付く。
 しかし…。
 涙がとまらなくなる、感動の一篇である。
  
(2019/01/16 投稿)

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