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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  内田麟太郎さん文、
  いせひでこさん絵の
  『はくちょう』という絵本を
  紹介します。
  白鳥は冬に日本に渡ってきて
  越冬をするところから
  冬の季語になっています。

     白鳥というやはらかき舟一つ      鍵和田 秞子

  きれいな俳句ですね。
  俳人の名前秞子は「ゆうこ」と読みます。
  白鳥はその姿もいいですが
  鳴き声もすてき。
  この絵本でも「くうー」って
  書かれています。
  寒さが厳しいですが
  春になれば
  その白鳥もまたかえっていきます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  白鳥に寄せる二人の名人芸のような絵本                   

 擬人化というのは「人でないものを人に擬して表現すること」ですが、絵本の世界でもたくさんの擬人化が試みられます。
 おもちゃ、ぬいぐるみ、やさい、おうち、どうぶつたち、・・・その他たくさん。
 擬人化されないものはないのではないでしょうか。

 内田麟太郎さんが文を書いたこの絵本では、「いけ」が擬人化されています。
 いけ? ひらがなで書くとわかりにくいですが、これは「池」。
 水をたたえた、あの池です。
 春になって仲間の白鳥たちが遠い北国に帰っていきます。でも、たった一羽だけ帰れない白鳥がいました。
 きつねに羽をかまれて傷ついた白鳥です。
 白鳥は小さな池で傷を癒していたのです。
 ただ、池は言葉が離せません。
 内田さんは、それは池がちいさいからだとしています。
 なので、絵本の中では池の言葉はかっこつきで書かれています。
 (…はくちょうさん)と、いった風に。
 でも、池の白鳥への想いは、まるで恋する若者のような感じがします。
 白鳥の白いうなじをみつづけているなんて、まるで恋をしているよう。

 やがて、白鳥の傷が癒え、帰る日がやってきます。
 真っ青な空に一羽の真っ白な白鳥。
 そのあとを追うように、池もまた白鳥となって羽をひろげます。
 なんとも感動的なラストです。

 内田さんの素敵な文を、そして池の擬人化という難しい設定に、いせひでこさんの絵は見事に応えています。
 最後の二羽の白鳥こそ、内田麟太郎さんといせひでこさんの姿のようにも思えました。
  
(2019/01/13 投稿)

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