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プレゼント 書評こぼれ話

  朝日新聞朝刊に
  鷲田清一さんが毎朝「折々のことば」という
  小さなコラムを連載しています。
  今年にはいって
  何回か
  石井桃子さんの随筆集『みがけば光る』から
  「ことば」が引用されていました。
  それなら
  一度読んでみようと
  手にしたのが
  今日紹介する本です。
  一つひとつの文章は短いのですが
  こうして一冊にまとまると
  まるで石井桃子さんの人生を
  なぞっているような印象を受ける
  一冊です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  味わいのある文章は宝石のごとく                   

 児童文学者石井桃子さんは埼玉の浦和で生まれました。
 1907年のことです。
 浦和は今では住みたい街にも選ばれるくらいの賑わいを見せていますが、当時は「道のほとりにたんぽぽや、れんげ草が咲きみだれ」た田舎町で、「細長い浦和の町」を幼い桃子さんは「気の向くまま」歩いていた「のんびり屋」だったそうです。
 そんな子どもの頃の話やそれから成長して女学生の頃、あるいは働き始めた頃のことから、お友だちの話、言葉について、あるいは暮らしの変化のあれやこれや。
 石井さんがさまざまなところに書いてきた随筆がうまくまとまった一冊になったのが、この本です。

 私がもっとも面白いと思ったのは「太宰さん」という随筆。
 太宰治がもしかしたら石井さんが好きだったかもというエピソードを一方の当事者である石井さんが当時を振り返って綴っています。
 太宰の死後、井伏鱒二さんが石井さんに「太宰君、あなたがすきでしたね」という。それに返すように「私なら、太宰さん殺しませんよ」と石井さんは答えたそうです。
 石井さん自身が綴っているから、本当にそんなやりとりがあったのでしょう。
 もし、太宰が石井さんと、と考えるだけでどきどきします。

 表題作の「みがけば光る」は言葉に関して石井さんが感じていることを綴っています。
 言葉ということでいえば、石井さんの随筆全体に流れている文体のやさしさは現代ではあまり味わえないものです。
 それだけでもこの随筆集を読む価値はあるのではないかと思います。
  
(2019/02/15 投稿)

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