FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  今日はいよいよ
  山本周五郎の『樅ノ木は残った』の
  最終巻である下巻
  紹介です。
  毎週1巻ずつの紹介になりましたね。
  この作品は
  1970年にNHK大河ドラマになっています。
  残念ながら
  私は未見です。
  主人公の原田甲斐を平幹二朗さん
  彼を慕う宇乃を吉永小百合さんが演じたそうです。
  この配役だけでも
  観たかったと思いますよね。
  最近の大河ドラマはあまり評判が芳しくないですが
  もう一度この作品をドラマ化しても
  面白いかもしれません。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  今でも読み継がれるその訳                   

 山本周五郎の代表作のひとつでもある長編小説。
 新潮文庫で改装版として平成30年9月に刊行されたのは上中下の3巻仕立てで、この巻が最後となる下巻。
 その最後で江戸前期に起こった伊達騒動の核心となる原田甲斐による刀傷沙汰が描かれている。
 当然ここまで読み進めてきた読者は原田がどういう思いで死んでいったか理解できるが、この事件だけを聞けば原田は巷間でいわれる狼藉者になるのだろう。

 「いかなる真実も、人の口に伝われば必ず歪められてしまう」。
 これは主人公原田甲斐が常に自身戒めてきた思いだという。
 もちろん、そこには作者である山本周五郎の思いがある。だから、自分はこの作品を書いたと、山本周五郎の声が聞こえてきそうだ。
 しかし、この作品は歴史上の真実を暴こうとした作品だけでなく、物語としても面白さがふんだんに盛り込まれている。

 その一つが登場人物の造形である。
 主人公である原田甲斐はいうまでもなく、彼を慕う宇乃という乙女、そして何よりも騒動の発端となる惨殺事件の被害者の弟である宮本新八という若者の描き方が秀逸だ。
 新八は兄の死後、運命に弄ばれるように多くの苦難に陥るが、武士の生き方を棄て、芸の道に生きようとする。
 原田はそんな新八を見、「自分の好むもののために生き、そのために死ぬことができる」、その方が人間らしいのではないかと考える。
 この長い物語は、もしかしたらこの新八という若者がいるからこそ今でも多くの読者を感動せしめるともいえるのではないだろうか。
  
(2019/03/09 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/3885-7045b6f4