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プレゼント 書評こぼれ話

  大リーグ・マリナーズのイチロー選手が
  遂に現役を引退しました。
  深夜、1時間半に及ぶ
  引退会見に感動した人も多いと思います。
  ちょうどその日、
  沢木耕太郎さんの『敗れざる者たち』を
  読んでいて、
  沢木耕太郎さんにイチロー選手を描いた作品が
  あるのだろうかと
  思いました。
  あるのかもしれませんが、
  沢木耕太郎さんならイチロー選手の影で
  消えていっただろう
  多くのプロ野球の選手を描く方を
  とったかもしれないと思ったりしました。
  でも、イチロー選手が抱えていた、
  そしてなんとか克服したことを
  沢木耕太郎さんの文章で
  読んでみたいとも思いました。

    後悔などあろうはずがない。

  イチロー選手にも「もしも」はあっただろうが
  こう言い切って引退したイチロー選手は
  さすがです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  この本と出会ったのは遠い日                   

 沢木耕太郎がデビューしたのは1970年、「防人のブルース」という作品だった。
 初めての単行本は1973年の『若き実力者たち』。
 そのあと、1976年に刊行されたのが、この『敗れざる者たち』である。
 このノンフィクション作品集ではボクサー、ランナー、バッター、あるいはサラブレッドという競走馬が描かれ、この後沢木はスポーツノンフィクションの書き手として人気を集めていくことになる。

 さらにこの作品集の冒頭に収められた「クレイになれなかった男」で描かれることになるカシアス内藤とはこのあともいくつかの作品で描かれることになる、濃密な関係を結んでいく。
 そういう点からいえば、この作品集はノンフィクション作家沢木耕太郎の進むべき方向を指し示したものとなったといえる。

 「一人の人生には無数の「もしも」がある。もしもあの時ああしなければ、もしもあの人に会わなかったなら…」。
 これは1964年の東京オリンピックのマラソンで銅メダルとなった円谷幸吉の短い生涯を描いた「長距離ランナーの遺書」の中の一文である。
 沢木の作品には、このような少し湿った感情に届くような文章が多く出てくる。
 それは沢木のノンフィクションの特長ともいえる。
 そういう青い描き方ゆえに、この作品集はいつまでも青春の一冊として評価されうるような気がする。

 誰もが思っただろう、「もしも」の世界。
 そんな「もしも」を人はいつまでたどるのだろうか。
 沢木耕太郎と出会ってから半世紀近く、私に「もしも」はまだあるか。
  
(2019/03/27 投稿)

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