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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は二十四節気のひとつ、清明(せいめい)
  ちょうどこの頃、
  万物が溌剌としてくるという意から
  こうつけられたという。

    清明や街道の松高く立つ     桂 信子

  今週は寒さが戻って
  満開の桜に雪が積もるという
  珍しい風景もニュースになったりしましたが
  季節はまちがいなく
  春の盛りへと動いています。
  今日は廣木隆一さんの
  『彼女の人生は間違いじゃない』という
  作品を紹介します。
  これはCS放送で映画を観て
  原作を読んでみようと
  手にした一冊です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  原作を読んだら映画も観て下さい                   

 廣木隆一。1956年、福島県郡山市生まれ。本業、映画監督。
 この作品はそんな彼が初めて書いた小説である。
 ピンク映画と呼ばれていた時代の成人向け映画でデビューし、その後は多彩な作品のメガホンをとって、現代の日本映画でも目の放せられない映画人である。
 2003年寺島しのぶが主演した「ヴァイブレータ」は数々の賞を受賞した傑作で、その年のキネマ旬報ベストテンで日本映画部門3位となっている。
 そのほか、こんな作品も廣木の監督作品なのかと驚くようなものも多い。
 そして、2015年に文芸誌「文藝」に発表したこの作品も、2017年自身の手で映画化されている。その年のキネマ旬報ベストテンで、これは7位となっている。

 自身が原作であるが、脚本は加藤正人である。
 加藤が脚本を手掛けたせいか、主人公であるみゆきの母親の死が原作では東日本大震災以前での病死が映画では津波にさらわれたことに変わっている。
 東日本大震災を背景にしてたくさんの小説が書かれてきて、この作品もその一つに数えられるのだろうが、安易に感傷的になることをあえて廣木は小説では避けたのかもしれない。
 それは廣木自身が福島の出身ということもあるだろうが、それを加藤正人という他者が脚本を書くことで、もっとストレートに作品が出来上がったように感じる。

 つまり、自身の原作を映画化した廣木監督は映像化することでより鮮明に自身が抱えている、そしてそれはヒロインが抱えているものでもある、感情をより鮮明にするという多層的な作品になっているように思える。
  
(2019/04/05 投稿)

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