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プレゼント 書評こぼれ話

  朝日新聞
  「平成の30冊」という企画を行い
  その結果が先日発表されました。
  これは、
  「平成時代に刊行された本の中から、識者120人が選んだベスト30冊」で
  第1位村上春樹さんの『1Q84』、
  第2位カズオ・イシグロさんの『わたしを離さないで』、
  第3位町田康さんの『告白』。
  まあ、この手の順位づけは
  あまり気にしなくてもいい。
  参考程度にしてちょうどいい。
  私が気になったのは
  第4位にランクインした
  宮部みゆきさんの『火車』。
  宮部みゆきさんの作品は全然読んでいないので
  この機会に読んでみるかと
  初挑戦。
  確かに、これはと
  大満足の一冊でした。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  彼女に会いたかったのは読者だ                   

 宮部みゆきさんが『理由』で第120回直木賞を受賞するのは、平成10年のことだ。
 それまでにも何度も直木賞候補にあがられていながら受賞することはなかった。
 今では名作の誉れの高いこの『火車』にしても、第108回直木賞の候補作に挙がったが、結構いい点が入るものの受賞には至らなかった。
 なかでも渡辺淳一選考委員の選評はひどく、「いったいこの作者はなにを書きたかったのか、そこがわからず、ただ筆を流しているとしか思えなかった」とし、「このようなお遊びの小説」と酷評している。
 一方で、井上ひさし選考委員は「持てる力と才能を振り絞って「現在そのもの」に挑戦し、立派に成功をおさめたその驚くべき力業に何度でも最敬礼する」と絶賛である。
 同じ作品を読んでもこれだけ評価が違うのだから、本を読むとは難しい(あるいは楽しい)ものだ。
 直木賞はのがしたものの、この年の第6回山本周五郎賞を受賞している。

 内容は自己破産を題材にしたミステリー小説だ。
 犯人である女性を休職中の刑事が追い詰めていくのだが、犯人は最後までその姿を見せない。
 ただ犯人の周辺に起こる事件から、犯人の実像が鮮やかに浮かんでくる。
 犯罪は罪だ。だから、罰を受けないといけない。
 それはわかっているが、犯人の姿が浮かんでくるたびに、誰が彼女を裁くことができるのかと思う。
 彼女を追い詰めたもの、それが一番解けない闇かもしれない。
 だから、多分読者こそが最後に彼女に会いたかったのではないだろうか。
  
(2019/04/10 投稿)

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