FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  山本周五郎の作品は
  色々な文庫で読むことができるが
  一番揃っているのは
  やはり新潮文庫だろう。
  その新潮文庫から
  山本周五郎没後50年企画として
  改版が順次刊行されている。
  今日紹介する
  『柳橋物語・むかしも今も』は
  その改版です。
  いつもの「本が好き!」様から献本頂きました。
  この作品は再読になりますが
  やっぱりいいですよね。
  山本周五郎は。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  それでも生きていく方がいい                   

 山本周五郎が63歳という若さで亡くなったのは1967年2月のことだから、没後半世紀以上になる。
 それでいてこうして「新・山本周五郎」と冠がついて、新潮文庫改版が出るのだからすごいものだ。
 かつて愛読した読者だけでなく、新しい読者までひきつけてやまない山本周五郎は、まさに物語の面白さを実感させてくれる。
 改版となった新潮文庫は「注釈付文字拡大」版で、特に印刷された文字が大きいのは、すでに山本周五郎の没年よりも年を経た私には有難かった。

 この文庫には昭和21年から24年にかけて発表された『柳橋物語』と昭和24年に発表された『むかしも今も』の、少し長めの中編2編が収められている。
 どちらの作品も主人公(『柳橋物語』はおせんという女性、『むかしも今も』は直吉という男性)は過酷な運命に翻弄され、それでも真実の愛にたどりつくという仕立てになっている。
 「人のちからでは反抗しようのない、大きな厳しいもの」に支配されている「人間というもののかなしさ、無力さ」、主人公はそれでも懸命に生きていくのだ。
 その姿に、終戦からわずか5年にもみたない日々の中を生きていた人々をどれだけ勇気づけたことだろう。
 終戦という廃墟から私たちは経済的にも豊かになったが、それでも天災や人災など「大きな厳しいもの」が時に私たちをうちのめす。
 そんな時、この2つの作品は今も心の支えになってくれる。

 改版の文庫巻末には解説の他に原田マハのエッセイも収められている。
 これもいい文章だ。
  
(2019/04/11 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/3918-7a5064b5