FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  最近廣木隆一監督の映画にはまっています。
  きっかけは
  先日原作を紹介した
  『彼女の人生は間違いじゃない』ですが
  『ナミヤ雑貨店の奇蹟』や名作『ヴァイブレータ』も
  廣木隆一監督作品だと知って
  今ちょっとはまっています。
  今日紹介する
  絲山秋子さんの『イッツ・オンリー・トーク』は
  廣木隆一監督が2006年に発表した
  『やわらかい生活』の原作です。

  

  先に映画を観て
  それから原作を読みました。
  映画では主人公を
  寺島しのぶさんが演じています。
  映画化に際しては
  色々あったようです。
  かなり原作とちがいますからね。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  映画「やわらかい生活」の原作です。                   

 『沖で待つ』で第134回芥川賞を受賞した絲山秋子さんが2003年に書き第96回文學界新人賞を取った、これがデビュー作になる。
 文庫本で90ページほどだから、やはり短編というのがいいだろうか。
 絲山さんはこの作品で第129回芥川賞の候補にもなっている。
 当時の選考委員の評価はそんなに悪くない。特に山田詠美委員の評価が高く、「点在する人間関係が魅力的にやさぐれている」と的確な評である。
 その一方で石原慎太郎委員の「この題名がなんで英語なのか。どうして「ただの洒落よ」でいけないのか。」という批評には苦笑したが。
 石原委員のこの意見は少しばかりわかる気がする。
 なんだか安易な外国映画のタイトルのようで、もう少し工夫があってもよかったように思う。
 もっともこの言葉が入る、キング・クリムゾンというロックバンドがわからないと理解という地点から遠いかもしれない。

 東京蒲田を舞台に心を病んでいる私(橘優子)のまわりに集まってくる不思議な男たち。
 山田詠美の言葉を借りるなら、「やさぐれ」た人たち。
 勃起不能の都議会議員、うつ病のヤクザ、痴漢行為にはまる中年の男、そして田舎から家出して私の家に居候となるいとこ。
 まるで何の関係もないけれど、「私」という中心点からすれば、誰も欠かせない。
 人って、それがどんな人であれ、関係性の中でしか生きていけないものかもしれない。
 「一見投げ遣りに見える暮しの中に意外に芯の通った節度」と書いた黒井千次委員の選評がまっとうのような気がする。
  
(2019/04/12 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/3919-61cca704