FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  4月12日、東京大学の入学式がありました。
  言うまでもありませんが
  私がそこにいた訳ではありませんが
  その入学式で女性学の第一人者である
  上野千鶴子名誉教授の祝辞がとても素晴らしく
  ニュースで知りましたが
  本当に感動しました。
  その終りの方のところを
  長くなりますが
  書き留めておきます。

    がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、
    あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと
    忘れないようにしてください。

    あなたたちが今日「がんばったら報われる」思えるのは、
    これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、
    手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。

    世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、
    がんばりすぎて心と体をこわしたひとたちがいます。
    がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」と
    がんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。

    あなたたちのがんばりを、
    どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。

    恵まれた環境と恵まれた能力とを、
    恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、

    そういうひとびとを助けるために使ってください。

    そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。


  さらに上野千鶴子教授はこうもいいます。

    これからあなた方を待っているのは、正解のない問いに満ちた世界です。

  これは東京大学に入学した学生に向けたメッセージですが
  その意味するところは
  彼らだけのものではないと思います。
  新しく学生になった人たち
  新しく社会に出た人たち、
  そして、すべての人たちが
  「正解のない問い」を単に「正解」を求めるのではなく
  「正解」のないこともまた
  受け入れられたらいいと思います。
  今日の絵本は
  ウィリアム・スタイグさんの
  『ロバのシルベスターとまほうの小石』です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  人生について知るということ                   

 アメリカに「コールデコット賞」という有名な絵本の賞があります。
 これは、アメリカ図書館協会が,アメリカで出版された絵本の中でその年のもっともすぐれた作品に贈る賞で、1937年に創設されています。
 賞の名前は,19世紀の絵本画家,ランドルフ・J・コールデコットからとられています。
 ウィリアム・スタイグ作のこの絵本は1970年にコールデコット賞を受賞しています。
 受賞の際のスタイグさんのスピーチが巻末に収められています。
 そのスピーチの中でスタイグさんはこんなことを話されています。
 「児童文学をふくむ芸術は(中略)謎を謎としたままで人生について知ることを助けてくれます。(中略)そして不思議だと思うことは、人生に敬意を払うことにつながります」と。

 絵本の主人公は、変わった色の小石をあつめるのが大好きなロバのシルベスターくん。
 ある日、彼は小さな、魔法の小石を見つけるのですが、まちがって、自分が石になる魔法をかけてしまいます。
 家に帰らないシルベスターくんを心配してお父さんもお母さんも、村の動物たちも一生懸命探すのですが、まさかシルベスターくんが小石になっていると思いませんから、見つけることができません。
 季節がめぐって、新しい春になりました。シルベスターくんの両親は悲しみから抜け出そうと、ピクニックにでかけます。
 そこには小石にかわったシルベスターくんがいます。
 さあ、お父さんお母さんはシルベスターくんに会えるでしょうか。

 絵本にはどんな魔法もありません。
 最後に誰もがよかったと思えることこそが大事なことではないでしょうか。
 スタイグさんはそんなことを描きたかったような気がします。
  
(2019/04/14 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/3921-0c1e4ecd