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  今日は憲法記念日

    憲法記念日天気あやしくなりにけり      大庭 雄三

  昨日、東京・荒川の
  ゆいの森あらかわのことを書きましたが
  そこには吉村昭記念文学館があって
  吉村昭さんの原稿とか創作ノート、
  生前執筆していた書斎など
  作家記念館としてもりっぱなものです。
  現在は「吉村昭と俳句」という
  企画展も開催しています。
  順番に見ていくと
  その最後には
  奥さんである津村節子さんのコーナーもあります。
  今日はそんな吉村昭さんでなく
  奥さんの津村節子さんの芥川賞受賞作
  『玩具』を紹介します。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  この作品で描かれた夫は吉村昭がモデルかな                   

 第53回芥川賞受賞作。(1965年)
 100枚に満たない短編で、しかも当時の選評を読むとかなり厳しい評価である。
 この前の回が「受賞作なし」で、石川達三委員などは「もし前回に受賞作があったら、「玩具」は当選にならなかったと思う」と、身も蓋もない。
 津村さんは受賞はしたけれど、夫の吉村昭さん同様、芥川賞とは馬が合わないのかもしれない。
 吉村さんもそうだが、津村さんもその後の活躍を見ると、津村さんが賞にふさわしいと評価した選考委員の慧眼はさすがだ。

 この作品に登場する夫は作家志望というだけでなく、結核で肋骨をとるという手術までしたところは実生活の夫である吉村昭さんを彷彿とさせる。
 吉村さんがこの作品の夫のように小動物を「玩具」のように愛したかどうかは知らないが、骨へのこだわりは実際でもそうで、吉村さんの初期作品には骨を題材にした秀作が多い。
 妊娠中の妻はそんな夫に手を焼きながらも遠くで珍しい骨だけで泳ぐ魚がいることを聞いて、つい夫に行ってみればと勧めている。
 男にわがままに従うだけの妻に見えながら、いざ出産となれば途方に暮れる夫を抱きとめるぐらいは訳ない。
 「玩具」とは妻にとっての夫の存在だったのかもしれない。

 井上靖選考委員の「夫婦間の心理的機微を描いて、この作者はいささかの危気もない」という評は、この作品だけでなく、これ以後の津村吉村夫妻の生活全般を指してもいあるようで、さすがだ。
  
(2019/05/03 投稿)

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