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プレゼント 書評こぼれ話

  いい作品に出合えると
  本が好きでよかったと
  実感できる。
  この本もそんな一冊だ。
  新聞記者であれば冷静に
  報道することに徹すべきかもしれないが
  この本、『南三陸日記』の著者
  三浦英之さんは
  しばしば涙を流す。
  泣くことで人間であり続ける、
  それは「報道」とは違うかもしれないが
  より「人間」らしくある。
  いい作品に出合えると
  自分も少し「人間」らしくなる。
  とってもいい本です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  私たちが向き合わないといけないこと                   

 文庫本のカバーのそでに記載された著者三浦英之氏の略歴には、2015年に受賞した第13回開高健ノンフィクション賞をはじめとして次々とノンフィクションの各賞を受賞していることが記されている。
 三浦氏は専業としてのノンフィクション作家ではない。
 今でも朝日新聞の記者である。
 そんな三浦氏がノンフィクション作家として事実に向き合う原点のような作品が、もしかしたらこの作品かもしれない。

 「南三陸」という地名で、しかも単行本が刊行されたのが2012年3月という日付で、このルポタージュが2011年3月11日に起こった東日本大震災に関するものだということがわかるだろう。
 三浦氏は地震のあとの5月、「がれきに埋もれた宮城県南三陸町」に新聞記者として赴任することになる。
 その赴任先で記者である三浦氏が「感じた日常の変化や人々の心の揺れ」などをコラムの形で綴ったのが、この作品である。

 そのなかで度々綴られているのが震災の6日前に結婚式をあげたものの震災で夫を亡くした女性の姿だ。
 彼女はしかも妊娠していて、2011年7月に女の子を出産する。
 単行本が出てから文庫本になるまで7年、この文庫本の表紙に写るかわいい女の子こそ、その時に誕生した子供なのだ。

 その女の子がじっと見つめるのはなんだろう。
 三浦氏は被災後の「南三陸」でこの女の子のような眼とどれだけ向き合ったことだろう。
 このコラムにはそんな視線がどのページにもある。
 その視線があるからこそ、三浦氏はノンフィクション作家として書き続けてきたのではないか。
 そんなことを思った。
  
(2019/05/10 投稿)

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