FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する
  島崎今日子さんの
  『森瑤子の帽子』は
  1980年代に活躍した作家
  森瑤子さんの人生を描いた
  ノンフィクション評伝です。
  作家の夫や娘、交友関係のあった有名無名の人、
  そのそばで働いていた人たちから
  多くの証言を得て
  浮かんでくる作家の素顔。
  それは書評にも書きましたが
  森瑤子という作家の姿だけでなく
  時代の貌を解くことでも
  あったような気がします。
  労作にして刺激的な意欲作です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  森瑤子がいた時代に私もいた                   

 作家森瑤子のことをどれだけの人が覚えているだろうか。
 覚えている? 
 そう、森が胃がんで52歳の若さで亡くなったのが1993年7月のことだから、すでに20年以上の歳月が過ぎたことになる。
 人は亡くなって作品は残ると言われても、実際には多くの作品も時の彼方へと過ぎ去っていくものだ。
 森瑤子は芥川賞直木賞とそれぞれ候補にはあがったものの受賞には至らず、もしかしたら1978年に第2回すばる文学賞を受賞した、デビュー作『情事』が鮮烈すぎて、その印象を越えることはなかったかもしれない。
 もちろん、森は短い作家生活でその著作が100冊を越えたというからその人気度は抜群であった。
 そんな森瑤子のことを記憶している人たちもまた過ぎた歳月を顧みる、そんな世代になっているのかもしれない。
 森瑤子がどんな人であったか、森瑤子が生きた時代はどんな時代であったか、それを問うことはあの時代を生きた人々もまた、自身を顧みることになるのではないだろうか。

 このノンフィクションを書いた島崎今日子さんは1954年生まれのジャーナリストである。
 おそらく森が新人賞を受賞した『情事』を目にしたのは二十歳を過ぎた頃だろう。
 そのタイトルから鮮烈で当時の人々の眼を釘付けにしたのは間違いない。
 時代はまさにバブル。そして、女性たちも自立を志向していく。
 島崎は書く。「真っ赤なルージュと大きな帽子の森瑤子は、彗星のようにバブルの時代の日本に強烈な光を放ち、明るく笑って消えていった。」
 そんな森瑤子を追体験することで、きっと誰もが自分の時間もまた追体験することにならないか。
  
(2019/05/28 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/3966-83e2eb80