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プレゼント 書評こぼれ話

  NHK大河ドラマいだてん」は
  視聴率が低迷しているようですが
  その主人公金栗四三
  日本人で最初にオリンピックに
  マラソン選手として出場した人。
  そのストックホルム大会では途中棄権、
  その4年後は優勝を期待されていたものの
  戦争のため大会が中止という不運に見舞われます。
  その次の大会、アントワープ大会では16位。
  一番ベストな状態の時に
  大会が中止だったのが残念。
  それとよく似ているのが
  マラソンの瀬古利彦選手。
  日本がモスクワ大会をボイコットをしなければ
  あの時瀬古選手はメダルに手がとどいたかも。
  沢木耕太郎さんの『王の闇』の中の一篇
  「普通の一日」は
  そんな瀬古利彦選手を描いています。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  君は大場政夫を覚えているか                   

 ノンフィクションにはスポーツノンフィクションというジャンルがあって、そこにも多くの名作がある。
 初期の頃の沢木耕太郎にもスポーツノンフィクションの旗手といった印象がある。
 ただ沢木の場合、スポーツといっても団体競技よりも個人競技、ボクシングであったり陸上であったり、そういうのが好みにあっていそうだ。
 それはスポーツを描くというよりアスリート、つまりは人間に興味があるということだろう。
 1989年に刊行されたこの本で描かれているアスリートもボクシングであったりマラソンであったり相撲であったりする。
 沢木の名前を一躍有名にした『敗れざる者たち』が刊行されたのが1976年、それからの沢木は多くの賞を受賞するノンフィクション作家に成長していた。
 この作品を読んだ時、多くの読者が『敗れざる者たち』と同じ世界観に安堵し、さすが沢木と喝采をおくったものだ。

 ここには5篇の作品が収められている。
 中でも印象深いのは、昭和48年1月に起こった世界フライ級チャンピオンであった大場政夫の死を描いた「ジム」だ。
 この作品は現在休刊となっている『PLAYBOY』誌に載ったもので、掲載誌の読者層にぴったりあった内容になっている。
 栄光の真っただ中で死んでいった<僕ら>のヒーロー。その悲劇性を沢木は見事に結晶させた。
 それも大場の年長の女性マネージャの語り文として。
 その手法は、のちに名作『檀』でも生かされてことになる。

 なお、他にはマラソンの瀬古利彦(「普通の一日」)やボクシングの輪島功一(「コホーネス<肝っ玉>」)などが収録されている。
  
(2019/06/06 投稿)

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