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プレゼント 書評こぼれ話

  芥川賞作家田辺聖子さんが
  6月6日に亡くなりました。
  91歳でした。
  田辺聖子さんは芥川賞を受賞されましたが
  その多くは恋愛小説で、
  どちらかといえば大衆小説の作品を
  たくさん残されています。
  また、長年の文筆活動に文化勲章も授与されています。
  ところが、
  そんな田辺聖子さんの作品を
  全然読んでいないのです。
  一体あなたはどんな作家を読んできたのと
  呆れられるほどです。
  もちろん田辺聖子というビックネームは知っていましたし
  恋愛小説だけでなく評伝とか
  古典文学だとか
  読む機会もたくさんあったのに
  悔やまれます。
  そこで急いで
  田辺聖子さんが日本経済新聞の「私の履歴書」に書いた
  『楽天少女通ります - 私の履歴書』を
  読みました。
  読み終わって
  今更ながらに田辺聖子さんの巧さに
  脱帽しました。

  ご冥福をお祈りします。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  追悼・田辺聖子さん - ま、こんなトコやな                   

 日本経済新聞朝刊の「私の履歴書」は人気の高いコラムだ。
 一ヶ月に一人、経済人であれ文化人であれ俳優であれ、その半生を自ら振り返るという記事で、これまでに一体どれだけの人が登場したのだろうか。
 新聞連載時もそうだが、連載が終わったあとに加筆され単行本として出版されることも多く、どれだけの数の「履歴書」を読んだことかわからない。
 元号が令和に変わって一ヶ月余りの2019年6月6日に91歳で亡くなった作家田辺聖子さんもまたかつて「履歴書」を書いた一人で、その「履歴書」を読むとさすが作家というかそこに描かれた世界の深み広さは他にはない、出色(しゅっしょく)の作品になっている。

 田辺さんが「私の履歴書」を担当したのは1997年5月のことで、この時はまだ紫綬褒章を受章した頃で、田辺さんがモデルとなったNHK朝の連ドラ「芋たこなんきん」が放映されるのは2006年だし、文化勲章を授与されるのは2008年だから、「履歴書」はどちらかといえば早すぎたかもしれない。
そ れでいて、この「履歴書」には戦時中の少女時代や芥川賞を受賞するまでの作家としての修業時代、あるいは「カモカのおっちゃん」として有名になった伴侶川野純夫さんとの結婚生活だけでなく、男性の傲慢さであったり男女の性差であったりを論じたり、田辺さんが暮らした神戸や伊丹の街のことであったり、自身の作品の数々であったり、話は実に多岐にわたる。
 連載時からどこまで加筆したのかわからないが、読み物としてもとても面白い。
 田辺さんはこの作品のことを「庶民史の一ケース」として、それも「昭和」という世の証言として書いたという。
 「令和」になって、「昭和」を楽しく生きた一人の庶民が逝ってしまった。
  
(2019/06/18 投稿)

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