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プレゼント 書評こぼれ話

  先週、
  児童文学者の中川李枝子さんの
  『中川李枝子 本と子どもが教えてくれたこと』を
  紹介しましたが
  あれは平凡社の「のこす言葉」というシリーズの一冊で
  あまりによかったので
  そのシリーズの他の本も読んでみたいと
  手にしたのが
  俳人金子兜太さんの
  『金子兜太 私が俳句だ』。
  これもまた読みやすい一冊で
  しかも
  金子兜太という俳人の
  生き様みたいなものを
  強く感じる一冊でした。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  金子兜太さんの、最後のメッセージ                   

 俳人金子兜太さんが98歳で亡くなられたのは、2018年2月20日のことだ。
 その月の一日、兜太さんはこの本のもととなる最後のインタビューを受けていた。
 まさに金子兜太さんが残された、最後のメッセージがこの本ということになる。

 平凡社の「のこす言葉」シリーズは、著名人からの聞き書きによる自伝である。
 その冒頭に兜太さんは「これから生きていく人たちに手渡したい言葉は、いっぱいあるんだ。ありすぎるほどだね」と語っていて、自身が生まれた埼玉県秩父の話から始まる。
 兜太さんの父親はお医者でしたが、秩父の町で句会などもやっていた。
 兜太さんは医者にはならなかったが、俳句の血はあったのでしょう。
 旧制水戸高校(兜太さんは秩父の出身ですから当然浦和高校という選択もあったが「特徴が見えなくて嫌い」と、この本の中で語っている)に入って、俳句に夢中になる。

 金子兜太さんはたくさんの人に愛された俳人だが、その俳句は決して花鳥風月のものではない。
 どちらかといえば自由律の俳句。
 有名なのが「湾曲し火傷し爆心地のマラソン」。このように強いメッセージを感じる。
 おそらくそれは兜太さんの戦争体験によるのだろう。
 この本の後半は俳人黒田杏子さんの兜太評だが、その中で黒田さんが兜太さんから「金子兜太を支えてきたのは、トラック島での戦場体験。日銀での冷や飯。俳壇の保守返り。この三つ」と言ったという。
 兜太さんがもう少し生きられたら、日銀時代の話とかがもっと入ったかもしれないが、最後のメッセージ、「人間が、戦場なんかで命を落とすようなことは絶対あってはならない」は忘れてはいけない。
  
(2019/06/26 投稿)

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