FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する
  葉室麟さんの『暁天の星』を
  本屋さんで見つけた時は
  ちょっと胸がきゅんとなりました。
  忘れ物を見つけた感じ。
  それに
  巻末には葉室麟さんのお嬢さんの
  文章まで掲載されていて
  その中に
  「父」と書かれていて
  ああ、葉室麟さんはもういないんだと
  その時とても強く思いました。
  書評にも書きましたが
  細谷正充さんの「解説」はとてもよく
  これから葉室麟さんの作品を
  読んでみようと思っている読者は
  必読です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  これが最後になるのだろうか                   

 2017年12月、まだ66歳という若さで急逝した葉室麟氏の、おそらくこれが最後になるだろう単行本は、未完となった表題作「暁天の星」(単行本のページ数にして200ページ近くあるから決して短い作品ではない)と「特別収録」と銘打った「乙女がゆく」(これは坂本龍馬の姉乙女を描いた2010年発表の短編)、それと文芸評論家細谷正充氏の「解説」(これは葉室麟文学の全体を俯瞰し論じていて、葉室麟小論として読み応えある)、さらに娘の涼子さんによる「刊行に寄せて」がつくという豪華な構成である。
 涼子さんの文章は亡くなる前の葉室麟氏の様も描かれ、終生書くことに命を捧げた作家の姿をしのぶことができます。

 「暁天の星」は幕末諸外国と結ばれた不平等条約の改正に力を尽くした外務大臣陸奥宗光の生涯を描こうとした作品だが、葉室氏の急逝によりまさにこれから日清戦争後の交渉に臨むところで未完となっている。
 陸奥は若い頃坂本龍馬の薫陶を得、作品の中でもしばしば龍馬ならどういうだろう、どう行動するだろうと思案する姿が描かれている。
 葉室氏の早すぎる晩年の作品群を見てみると、明治維新あたりを舞台にした作品が目立つ。
 娘の涼子さんはそんなところから「歴史を見つめなおし、明治維新を総括することで」、日本や日本人の姿を問い直したかったのではないかとみている。

 また「解説」の細谷氏は葉室氏は坂本龍馬を書きたかったのではないかともいう。
 それもまた楽しい想像だが、私はそれ以前に葉室氏の故郷九州を舞台にした維新の物語も読んでみたいと思ってしまう。
  
(2019/07/05 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/4005-da6bedbe