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 毎年映画のシナリオとして
 優秀な作品の数篇が
 「年鑑代表シナリオ集」となって刊行されている。
 写真は1973年に刊行された
 1972年度の「代表シナリオ集」だ。

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 余談だが
 この本は当然書店で並んでいる訳ではない。
 古書店でさがすか
 図書館の蔵書を検索するしかない。
 これは図書館で借りた。
 図書館の機能として
 こういう昔の本を保管することは欠かせない。
 何しろ半世紀近くの前の本を読むことができるのだから
 ありがたいものだ。

 さて、この本をどうして読んだか。
 実はこの中に今年3月に亡くなった
 萩原健一さん、つまりショーケン
 実質的な映画デビューとなった「約束」のシナリオが
 はいっているのだ。

  

 ショーケンが亡くなって
 CSの日本映画専門チャンネルでその追悼番組が組まれていて
 先月、この「約束」が放映されていた。
 何年ぶりかで観たが
 やっぱりよかった。
 せっかくだから、そのシナリオも読んでみようと
 この本を手にしたのだ。

 脚本は石森史郎さん、
 監督は斎藤耕一さん、
 音楽は宮川泰さん。
 主人公のチンピラをショーケン
 彼が列車の中で偶然に出会い、恋におちるヒロインを岸恵子さん。
 映画は総合芸術とよくいわれる。
 シナリオだけで完結するのではなく
 宮川泰さんの切ないメロディーにのって
 当時「映像の魔術師」といわれた斎藤耕一監督の映像があって
 初めて作品が完成する。
 もちろん、俳優たちの演技も、だ。

 それでも1972年当時といえば
 見逃した作品やもう一度見たいと思う作品を見るためには
 名画座をおいかけるしかなかった。
 今ならDVDでいつでも見ることができるが
 名画座はそういう訳にはいかない。
 では、どうするか。
 シナリオを読んで
 自分の頭の中に映像を、音楽を、演技を再現するしかなかった。
 だから、あの頃と今では
 シナリオそのものの読み方がちがうような気がする。

 映画「約束」に戻ると
 岸恵子さん演じる蛍子が自分の名前を明かして
 こうつぶやく、いい場面がある。

    蛍子「私も…蛍が此の世にいるなんて、とうに忘れてしまった」
    岸壁のそこここに蛍光灯の照明がつきだした。


 実際の映画では
 蛍子は「蛍なんてもう信じない」だったとように思う。
 そのあと、小さな漁船の灯りがポッとついて、
 宮川泰さんの音楽が流れる。
 泣かせる。

 「約束」は本当にいい映画だ。

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