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プレゼント 書評こぼれ話

  第161回芥川賞直木賞が昨日決定しました。
  芥川賞今村夏子さんの『むらさきのスカートの女』、
  直木賞大島真寿美さんの『渦 妹背山婦女庭訓(いもせ やまおんなていきん) 魂結(たまむす)び』。
  今回は直木賞の候補作は全員女性ということで
  話題となっていましたが
  結果芥川賞直木賞ともに
  女性の作家の受賞ですから
  勢いは女性にありですね。
  今日は『或る『小倉日記』伝』で
  第28回芥川賞を受賞した
  松本清張のデビュー作『西郷札』を
  紹介します。
  松本清張ほどの巨匠でも
  もしこの作品で入賞していなかったら
  どんな人生になったかわかりません。
  だから、
  今回の受賞2人にも大作家めざして
  がんばってもらいたい。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ここから松本清張はじまる                   

 1951年に「週刊朝日」の「百万人の小説」という公募で3等に入選した、松本清張の処女作。文庫本で60ページほどの作品だが、この年の直木賞の候補となった程で、読ませる力量は処女作とはいえさすがその後巨匠になるだけのものがある。
 松本清張が『「或る『小倉日記』伝」』で第28回芥川賞を受賞するのは、この2年後である。

 タイトルの「西郷札」は「さいごうさつ」と読む。明治の西南戦争時に西郷軍が発行した軍票のことを指す。
 この札をめぐって一攫千金をねらおうとする男が利用したのが、この物語の主人公雄吉。
 彼の波乱万丈の半生に灯をともすような存在であったのが義理の妹季乃。小さい頃に別れて以来、会えないままだった季乃に偶然会ってしまった雄吉。
 互いにほのかに兄妹以上の感情がありながら、それをしまうこむ。何故なら季乃はすでに結婚をして、その相手は大蔵省の役人。
 そんなところにつけこまれて、西郷札の買い占めに利用される雄吉だが、季乃の亭主が雄吉と妻との関係を怪しんでいることに気がつかない。
 雄吉や季乃の運命はどうなるのか。
 そこがまた松本清張らしく、読者にミステリを仕掛けておわる、
 雄吉も季乃も悪人ではない。
 むしろ季乃の亭主が明治維新後の薩長閥に取り入る姿が悪のようにも映る。
 松本清張は作家としての最初から官僚とか役人の悪が嫌いだったようだ。
  
(2019/07/18 投稿)

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