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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日、石ノ森章太郎さんの
  『章説 トキワ荘の春』という本を紹介しましたが
  今年になって
  また一冊「トキワ荘」を描いた本が
  出版されました。
  それが中川右介さんの
  『手塚治虫とトキワ荘』。
  読み応え十分の一冊ですが
  その内容の深さと広さに
  大満足です。
  石ノ森章太郎さんのお姉さんの話も
  当然書かれています。
  泣くことがほとんどなかった石ノ森章太郎さんですが
  さすがにこの時
  赤塚不二夫さんの前で泣いたといいます。
  そういうこともきちんと
  書かれています。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  あの頃、あの場所に、みんないた                   

 「トキワ荘」は東京・豊島区椎名町にあった木造二階建てのアパートで、1952年頃建ち、1982年に老朽化のため解体されている。
 昭和の時代にどこにでもあったアパートが今でも多くの人の口にのぼるのは、このアパートに「漫画の神様」手塚治虫をはじめ、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫、寺田ヒロオといった漫画雑誌が月刊誌から週刊誌へ変わろうとする時代を牽引し、その後のマンガを支えた漫画家たちが住んだことに由来する。
 時代が進んで、1970年頃雑誌「COM」に「トキワ荘物語」という当時そこで暮らした、あるいは関わった漫画家による回顧ものが「トキワ荘神話」構築の第一歩だったと、この本の中に記されている。

 その後「トキワ荘」は石ノ森章太郎や長谷邦夫といった漫画家だけでなく、丸山昭といった編集者も独自で本を出していたりする。
 そういうものも参考にしつつ、さらに当時をよく知る水野英子たちからの取材も含め、実によくできた「トキワ荘」ドキュメントといえる。
 何しろ、この本は383ページで、しかも2段組みであるから、その内容の豊富さは半端ではない。
 単に「トキワ荘」というだけでなく、手塚治虫の漫画家としての歩みや藤子不二雄たちを生んだ伝説の漫画雑誌「漫画少年」、さらにはその雑誌に関わった加藤謙一や講談社や小学館の編集者たちなど昭和30年代のマンガ史を描いた労作である。
 この一冊であの頃のマンガ界を全貌できるわけではないが、少なくともこの本は「トキワ荘」を語る上において、重要な一冊になることは間違いない。
  
(2019/07/27 投稿)

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