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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日朽木祥さんの
  『光のうつしえ』という
  広島の原爆、それと戦争をテーマとした
  児童文学を紹介したので
  今日は再録書評ですが
  石内都さんの『ひろしま』を
  紹介します。
  この写真集を最初に読んだのが
  2008年ですから
  もう10年以上前になります。
  この10年の間で
  私たち人類は
  核の脅威を排除できずにいます。
  これからもできるのかどうか
  不安にもなります。
  けれど、広島のこと長崎のことを
  私たちは忘れてはいけない。
  そう思い続けないと。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  無題                   

 衝撃が 走る
 言葉にすれば なんのことはない でも
 ショウゲキガ ハシル

 咽喉の奥
 こころにつながる咽喉の奥
 何匹もの蟋蟀(こおろぎ)が
 羽を鳴らす

 震えが 走る
 言葉にすれば なんのことはない でも
 フルエガ ハシル

 足の裏
 こころからのびた足の裏
 何匹もの飛蝗(ばった)が
 足踏みをする

 石内都という写真家の
 『ひろしま』という写真集

 「透視光によって」浮かびあがる
 「縫い目や形やしわなどの細部」 (注)
 それは あの日 あの時
 彼らに 彼女らに
 流れていた 血
 そして あの日 あの時
 とまってしまった 
 彼らの 彼女らの 時間

   少女のワンピース
   少年の学生服
   スリップ
   眼鏡

 くりかえせば

   燃え残った 少女のワンピース
   ちぎれかかった 少年の学生服
   黒い雨のあとが残った スリップ
   とけた 眼鏡

 くりかえせば

   すべて主人を喪った
   ものたち

 石内都という写真家の
 『ひろしま』という写真集

 一着のワンピースが
 少女の去った方向を
 まっすぐ さししめす

 『ひろしま』という写真集

(注)「 」内の文章は、写真集『ひろしま』の「栞」に掲載されていた柳田邦男氏の文章より引用しました。
  
(2009/02/07 投稿)

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