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プレゼント 書評こぼれ話

  葉室麟さんの作品は
  たくさん読んできましたが
  それも直木賞を受賞した
  『蜩ノ記』以降で
  実はそれより以前の作品は
  まだまだ未読のものもあって
  葉室麟さんが亡くなって
  さすがに新しい作品を読むことはなくなりましたが
  まだ葉室麟さんの世界を堪能することは
  しばらくできそうです。
  今日は第14回松本清張賞を受賞した
  『銀漢の賦』を紹介します。
  その中の一節、

    人の美しさは覚悟と心映えではないでしょうか

  葉室麟さんらしい名文です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  感動深く、大河の如く                   

 2017年12月、66歳の若さで急逝した葉室麟の作家生活は長くはない。
 2005年に第29回歴史文学賞を受賞した『乾山晩愁』を実質的なデビューとすれば、わずか12年の執筆活動となる。
 『蜩ノ記』で第146回直木賞を受賞したのが2012年だから、この作品がほぼ中間点ともいえる。
 この受賞までに葉室の作品は何度も直木賞の候補になったが、落選を繰り返していた。
 直木賞受賞に先立つ2007年に第14回松本清張賞を受賞したのが、この長編小説である。
 この作品を読むと、すでに葉室にはその後の活躍を予感させるものが濃厚に立ち上ってくるのが実感できる。
 文春文庫の解説を書いている文芸評論家の島内景二はその冒頭に「必ずや文学史に、その名を大きく刻まれるに違いない逸材」と記したが、今からすればまるで預言者のように言い当てたといえる。

 物語は三人の男の友情を描いている。
 二人が武士、もう一人は村の若者。三人はその身分の違いがありながらも、互いに尊敬しあい、互いの心を推し量ることができる友誼の心を持っていた。
 しかし、成長するにしたがって、一人の男は家老職まで昇りつけ、もう一人の男は損な性格が災いしてか出世の道から取り残されている。そして、村の青年は村のために立ち上がるも武士の世界に阻まれて亡くなる。
 その事件をきっかけに二人の武士の友情も壊れ、長い歳月が流れる。
 物語は仲違いしていた二人の男の再会を果たすところから始まる。
 藩を守るために自身を犠牲にしてまで戦おうとする男に、かつての友が手を差し出す。
 これはそんな友情の物語なのだ。
 ちなみに「銀漢」とは「天の川」をいう。
  
(2019/09/18 投稿)

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