FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  二十四節気のひとつ、霜降
  字を見ればわかるように
  そろそろ霜が初めて降りる頃という意味。

      霜降や鳥の塒(ねぐら)を身に近く     手塚 美佐

  今日は本田靖春さんの
  『誘拐』というノンフィクション作品を
  紹介します。
  書評にも書きましたが
  これは昭和38年に起こった吉展ちゃん事件
  描いた作品です。
  この翌年は東京オリンピックのありましたが
  実際には
  まだまだ戦争のしっぽを
  引きづっていた時代であったともいえます。
  犯人逮捕までの攻防だけでなく
  犯人が背負っていたものの重さに
  あの時代を感じます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  作品に緊張があるから面白い                   

 文学賞はたくさんあるが、1979年創設され、すでに40回を迎える講談社主催の「講談社ノンフィクション賞」が2019年度(第41回)より「本田靖春ノフィクション賞」と名前を変えたということだ。
 本田靖春は、1933年生まれ、2004年に71歳で逝去した「戦後を代表するノンフィクションの書き手」である。
 本田自身、1984年に『不当逮捕』でこの賞を受賞している。

 本田靖春は早稲田大学卒業後、読売新聞社会部記者として活躍。その後、ノンフィクション作家として第一線を駆け抜けた。
 その名前が文学賞として残ることになったぐらいであるから、本田が日本のノンフィクションの世界に記した功績はそれぐらい大きいといえる。
 そんな彼の代表作ともいえるのが、この作品だ。

 これは昭和38年(1963年)3月に東京入谷で起こった男児誘拐事件を描いたノンフィクション作品である。
 誘拐されたのは当時4歳の男の子。名前は吉展(よしのぶ)。「吉展ちゃん事件」として、戦後の犯罪史の残る事件である。
 犯人は当時30歳だった男。
 警察はその初動で犯人を取り逃がすというミスを犯し、身代金までとられてしまう。
 現在のように防犯カメラが至るところにある時代ではない。
 電話の逆探知さえいきわたっていない。そんな中、犯人の声が録音されていた。

 事件のあらましだけでなく、犯人となった男の来歴、警察の捜査、あと少しで逃がしたかもしれない犯人との最後の攻防。
 これぞノンフィクションの傑作といえる。
 本田は文庫本に載せた「あとがき」にこう記している。
 「事実とのあいだの緊張関係を保ち続けるのは息苦しい。しかし、それなくしてノンフィクションは成立し得ないからである」。
  
(2019/10/24 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/4119-9f26b543