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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  葉室麟さんの『いのちなりけり』を
  紹介します。
  2008年8月に単行本として刊行され
  2011年2月に文庫本になりました。

    ひとがこの世に生きた証として遺すものは、
    心しかないと思う

  これはこの作品の中で
  主人公がいうセリフですが
  葉室麟さんも確かにそう思われていたのだと
  思います。
  まだしばらく
  読むことができる
  葉室麟さんの未読の作品があります。
  ゆっくり楽しみたいと思います。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  第140回直木賞候補作ですが                   

 葉室麟さんが2008年に発表したこの作品は第140回直木賞の候補にあがった。
 しかし、選考委員の評価は厳しく、受賞には至らなかった。
 選考委員の選評を読むと、「読み進むうちに(中略)登場人物もむやみに増えて印象が散漫になってしまった」(阿刀田高)「中盤からいささか書き急ぎの感」(宮部みゆき)「少々小説が散漫過ぎた」(林真理子)と、これでは受賞は遠い。
 もっとも厳しいのが井上ひさし氏であろう、「主筋がたえず横滑りを起こし、時の前後さえ判別しがたくなる。とても読みにくい。」とある。
 これらの選評は決して外れている訳ではない。
 確かに登場人物が多いし、中盤以降の進行はむやみに早い。

 この作品の主人公雨宮蔵人とその妻咲弥の物語はこれだけでは終わらない。
 『花や散るらん』(2009年)『影ぞ恋しき』(2018年)の三部作で完結することになる。
 つまり、この作品は大長編の序章に過ぎないのだ。
 だから、登場人物が多いのも「主筋がたえず横滑り」をするのも、葉室さんの中では考えた上でのことかと思われる。
 ただこれが大長編の序章であったとしても、作品として完結させるのであれば、もっとじっくりと腰を据えるべきであったと思う。
 宮部氏がいうようにあまりに「書き急ぎ」を感じる作品になっている。

 葉室さんが『蜩ノ記』で直木賞を受賞するまで、まだ3年あまりある。
  
(2019/11/09 投稿)

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