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プレゼント 書評こぼれ話

  時は元禄15年12月14日、
  赤穂浪士47士により討ち入りがありました。
  いわゆる忠臣蔵

    討入の日の徳利を置きにけり     岸本 尚毅

  昔は師走ともなれば
  忠臣蔵の映画とかドラマが必ずどこかのTV局で
  放映されていたものですが
  最近はあまり見かけません。
  せっかくなので
  今日は葉室麟さんが赤穂浪士の討ち入りを
  物語の中に入れた
  『花や散るらん』を紹介します。
  その中からこんな一節を見つけました。

    この世で最も美しいものとは
    ひとへの想いかもしれませぬ

  さすが葉室麟さん。
  ぐっときます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  赤穂浪士の討ち入りにあの主人公が                   

 葉室麟さんが『蜩ノ記』で直木賞を受賞したのは、2012年の第146回だった。
 それ以前、葉室さんが直木賞の候補になったのは『いのちなりけり』(2009年・140回)『秋月記』(2009年・141回)『花や散るらん』(2010年・142回)『恋しぐれ』(2011年・145回)と、続けざまに候補にあがるも受賞に至っていない。
 それを辛い時期と見なすこともできるだろうが、その一方でいかに葉室さんの筆が充実していたかの証のような気がする。
 つまり、葉室さんはこの時期絶好調だったに違いない。

 ただこの作品については選考委員の評価は厳しい。
 唯一評価が高いのは宮部みゆき氏だが、私はむしろ「咲弥と蔵人と清厳の、友情、愛情関係を描くのに、なぜ忠臣蔵が必要になってくるのか、最後までわからなかった。作品が、二つに割れた印象さえある。」と記した北方謙三氏の評価に与する。
 この作品は『いのちなりけり』に続く雨宮蔵人もの三部作の二作めで(三作めは『影ぞ恋しき』)、その舞台は赤穂浪士の討ち入りがあった元禄時代となっている。
 北方氏の評価は実に素直で、あまりにも物語設定が出来過ぎていて、蔵人と咲弥の子ども香也があの吉良上野介の隠された孫娘となると、さすがに物語に都合がよすぎる感はある。

 それでも、これだけの長編を読ませる力量はさすがだ。
 宮部みゆき氏は「史実を能動的に自在に操ることで生まれる〈作り話の妙味〉」を高く評価しているが、それが『蜩ノ記』で開花するまで、まだもう少し時間がある。
  
(2019/12/14 投稿)

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