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プレゼント 書評こぼれ話

  朝井まかてさんの著作は
  ほとんど読んでいますが
  今日紹介する『最悪の将軍』は
  読みそびれていたので
  文庫化された機会に読みました。
  書評にも書きましたが
  先日読んだ
  葉室麟さんの『花や散るらん』とほぼ同じ時代設定だったので
  とても興味深く読みました。
  いくらでも
  解釈できるのが
  こういう物語の面白さかもしれませんが
  本当はどうだったのか
  やっぱり気にかかります。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  本当はどうだったのだろうか                   

 「歴史小説」とは主に歴史上に実在した人物を用いて、ほぼ史実に即した物語で出来ている。一方、「時代小説」は同じような歴史を描いてもそこには実在しない人物や出来事などで出来上がっている。
 江戸幕府の第五代将軍徳川綱吉を描いた朝井まかてさんのこの長編小説の場合、徳川綱吉も実在の人物だし、その正室信子も側用人柳沢吉保も実在した。
 また将軍になる経緯であったり、生類憐みの令の発令なども歴史上の事実である。
 朝井さんが尊敬してやまない葉室麟さんの『花や散るらん』はほぼ同じ時代を描いていて、綱吉であったり吉保という人物も登場するが創作が多い。
 この二つの作品で「歴史小説」と「時代小説」を比べるのも面白いかもしれない。

 ただ「歴史小説」といっても、その当時の人々の心情までが正しいかというとそれはまた別の話で、綱吉と信子が果たしてどんな会話をしたのか、それは作者の想像力に委ねるのは仕方がない。
 特にタイトルが示すように「最悪の将軍」であったかもしれない綱吉だが、朝井さんの筆はけっしてそうではない。
 むしろ、民を思い、国を憂いた名将軍かと思わせられる書きっぷりだ。
 同じ人物、同じ事件を描いても、書き手によってそれはいかにも変化する。だからこそ、「歴史小説」は面白いともいえる。
 綱吉が亡くなったあとの最後の場面、吉保はこう信子に話す場面がある。
 「政の目指すところとその果には、必ず齟齬が生じまする。(中略)それを判じるには時を要します」。

 しかし、こうも言えないだろうか。
 時が経ても不明かもしれない、と。
  
(2019/12/18 投稿)

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