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プレゼント 書評こぼれ話

  村上春樹さんの初期のエッセイなんかに
  よく出てくる言葉。
  「やれやれ」。
  実はこの絵本、
  シェル・シルヴァスタインの『はぐれくん、おおきなマルにであう』にも
  この「やれやれ」が出てきて、
  きっと村上春樹ファンにとっては
  喝采をあげているのではないかと
  思います。
  この絵本は
  かつて倉橋由美子さん訳で
  『ビッグ・オーとの出会い』として出版されたことがあります。
  1982年のことです。
  その訳と比べてみるのも
  面白いかもしれません。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  何度も読まないといけない絵本                   

 シェル・シルヴァスタインの作品で村上春樹さんが翻訳といえば『おおきな木』が有名です。
 またシェル・シルヴァスタインの作品で有名といえば、倉橋由美子さんが翻訳して日本でもベストセラーになった『ぼくを探しに』が知られていて、倉橋さんはその続編の『ビッグ・オーとの出会い』も翻訳しています。
 今回村上春樹さんが翻訳したのは続編の方で、原題は「The missing piece meets the Big O」です。
 原題からすれば、村上春樹さんの方が直訳に近い。
 ただ「「The missing piece」の訳について説明が必要かもしれません。
 この絵本の最後に村上春樹さんによる「訳者あとがき」(これがとってもわかりやすく、この絵本を読むにあたってはまずここから読むのもアリかな)にこうあります。
 「missing pieceというのは「あるべきなのに欠けている部分」ということ」で、この絵本では「くさびのような形」をしていて、倉橋由美子さんは「かけら」、村上春樹さんは「はぐれくん」と訳していて、村上春樹さんは「はぐれくんの方がなんとなくこのお話には合っている気がした」と記しています。
 おそらく村上春樹さんは「missing」に重点を置いたのでしょう。

 物語は、「はぐれくん」が自分と一緒になるべき相手を探す姿を描いています。
 最後に出会うのが「Big O」で、村上春樹さんはシェル・シルヴァスタインの絵のままに「おおきなマル」と訳しています。
 「おおきなマル」に自分が変わることも必要と教えられる「はぐれくん」。
 やがて、彼は「missing」でなくなっていきます。

 線だけの単調な絵ですが、その中身はかなり深い。
 そんな絵本です。
  
(2019/12/29 投稿)

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