FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  この15日に
  第162回芥川賞直木賞が決定しました。
  芥川賞は古川真人さんの『背高泡立草』
  直木賞は川越宗一さんの『熱源』
  大きな文学賞ですが
  ここからがスタート。
  これからどんな作品を書くかが大切です。
  今日紹介する
  『グッドバイ』を書いた
  朝井まかてさんは
  第150回の直木賞受賞者
  2014年ですからもう6年前になります。
  そこからの朝井まかてさんの活躍は
  誰もが認めるところでしょう。
  この作品も期待通り。
  まかてワールドを堪能下さい。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  幕末こんな女性もいたのだ                   

 この長編小説の主人公大浦慶(若い時は「お希以」と表記していた)は、幕末の長崎で三女傑の一人にあげられるほどで、日本茶の輸出に大きな功績を残した女性だ。
 ちなみに残る二人はシーボルトの娘で女医の楠本イネとホテル業で営んだ道永栄だそうだ。
 幕末の長崎といえば、それだけで沸騰しそうな熱を感じますが、元々は油問屋であった大浦屋の次女として生まれたお慶はその熱の中心とはいかなくてもかなり温度の高いところにいたことでしょう。
 何しろあの坂本龍馬や大隈重信、さらには岩崎弥太郎やグラバー邸の主グラバー(小説ではガラバアとなっている)など歴史上の有名人が続々と登場するのだから、さすが女傑と呼ばれるだけのことはある。

 龍馬と共に亀山社中を作ったといわれる近藤長次郎(彼は30歳になる前に切腹することになるのだが)をこのお慶が可愛がっていたと、朝井のこの作品ではなっているが、これは朝井の創作かもしれない。
 若い志士が海の向こうの世界に夢を持ったその姿にお慶の心情を共鳴させたのは、お慶という人物に深みを与えることになって、朝井の巧みさを感じる。

 大浦慶は明治になってのちに「遠山事件」と呼ばれる詐欺まがいの事件に巻き込まれる。
 そのため築いてきた財産をほとんど失うはめに陥るが、それも完済。
 そんな汚名を被りながらも、幕末の業績を讃えられるほどであるからさすがに女傑である。
 朝井の筆はそんな女性の熱気に溢れた波乱の生涯を見事に描いている。
 しかも、エンターテイメントとしての面白さを忘れていないのがいい。
  
(2020/01/17 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/4205-7248260b