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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日
  高橋一清さんの『芥川賞直木賞秘話』という本を
  紹介しました。
  高橋一清さんは
  もともと文藝春秋社の編集者で、
  その関係から多くの作家とのつながりがありましたが
  今日紹介する
  櫻井秀勲さんもまた
  カッパブックスで有名な光文社の編集者で
  松本清張さんの担当でした。
  そんな櫻井秀勲さんが見た松本清張さんを描いたのが
  『誰も見ていない書斎の松本清張』です。
  編集者は自身で作品を書くわけではありませんが
  こうして作家のそばにいることで
  作品の何パーセントかは
  生み出しているのかもしれません。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  清張ファンなら見逃せない一冊                   

 作家にとって編集者はよく伴走者に喩えられることがある。
 傍にいて、時に褒め、時に叱咤し、時にはともに涙することもあるだろう。
 だから、伴走者である編集者しか知らない貌がある。この本のタイトルでいえば「誰も見ていない書斎」の貌だ。
 もちろん、担当の編集者はあまたいる。作家が超一流であればあるほど編集者は多いだろう。
 この本の著者櫻井秀勲(ひでのり)氏の場合、光文社という出版社の編集者で、1953年に第28回芥川賞を受賞したばかりの松本清張の担当編集者であるが、その接点をこう記している。
 「どんなに親しい編集者でも、その作家の一生をすぐ側で見ているわけにはいかない。何人もの編集者がいるからだ」と。

 編集者側にも事情がある。出版社という組織の枠組みの中で人事異動もある。櫻井氏は31歳で女性週刊誌「女性自身」の編集長に抜擢されていて、そこには松本清張の作品も掲載されたが、もはや書斎の作家を傍で見る立場ではない。
 ただ、櫻井氏が「誰も見ていない」松本清張を語れるのは、死後もなお絶大な人気を誇る大作家の新人時代の貌を見てきたからだともいえる。

 松本清張ほどの巨匠が年下の若い編集者に「面白いかね?」と訊ねる姿など誰が想像できるだろう。
 あるいは芥川賞作家に娯楽誌の編集者だった櫻井氏が接触しなければ、清張文学もまた大きく違ったかもしれない。
 どんなに偉大な作家であっても、そんな伴走者たる編集者がいるものなのだ。
  
(2020/02/21 投稿)

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