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 今日から4月
 いつもの年であれば
 入学式や入社式と新しい門出に
 胸膨らむ月なのでしょうが
 今年はまるで様相が違います。
 まして
 あの人気お笑いタレント志村けんさんが
 新型コロナウイルスで罹患し
 亡くなってしまうなんて
 多くの人が驚愕し悲しんだことでしょう。

 さいたま市では
 図書館の休館が4月19日まで延長されました。
 すでに一ヶ月以上図書館の扉は閉まったままです。
 感染予防のために
 閉めざるをえないということは理解できますが
 全面休館ではなく
 利用者に本が届く工夫があってもいいのではないかと
 思わないでもありません。
 あの東日本大震災という大きな困難の際には
 本が被災された人たちをどれだけ癒されたことでしょう。

 幸いなことに
 さいたま市の図書館では電子書籍の貸出は
 今まで通り行っています。
 こういう環境下だからこそ
 従来の読書とは違った方法も試してみるのもいいかもしれません。
 それに
 新しい本ではなく
 家にある本を再読するのもありでしょう。

 今まで
 図書館にお世話になっていたのですから
 本や図書館とともに
 この難局を乗り越えられたと思います。
 今日は
 東日本大震災の復興支援として行った移動図書館の活動記録をまとめた
 鎌倉幸子さんの
 『走れ!移動図書館: 本でよりそう復興支援』を
 再録書評で紹介します。

 図書館が再開されるのを
 心待ちにしています。

   

sai.wingpen  たかが本かもしれないが                   

 本書は、公益社団法人シャンティ国際ボランティア会が、2011年3月11日に起こった東日本大震災の復興支援として行った移動図書館の活動の誕生経緯とどのような活動であるかをまとめた活動記録である。
 シャンティ国際ボランティア会は1995年の阪神淡路大震災でも積極的な支援活動を行ってきた団体で、内戦後のカンボジアでも図書室設置の活動などの実績がある。
 だからといって、日本国内での図書館プロジェクトの経験はなく、移動図書館そのものはまったく初めての取り組みであった。
 いってみれば、素人集団がどのようにしてその活動を成功させていったかを知ることは、今後起こりうるかもしれない災害での対処の方法として学ぶべきことが多い。

 彼らが復興支援の方法として「本」を取り上げた意味は大きい。
 震災後、現地入りしたスタッフは当初食べ物や衣服といったものが多くの被災者を救済している姿を見ている。しかし、ほどなくそれらだけでは被災者の心を満たさないことを知るようになる。
 「本を読みたい」という被災者の声を耳にし、改めて「心の栄養」が必要であることを痛感するスタッフ。
 「人々が困難な生活を余儀なくされた時にこそ持つ、本や図書館の存在価値」は、支援者側には見えにくいものかもしれない。そのことは、稲泉連氏の『復興の書店』にも書かれている。

 自分の手で本を選び、買う、あるいは図書館で借りるという行為は、「非日常から日常に戻るきっかけ」となる。
 彼らが図書館を始めるきっかけはそういうことであった。
 復興支援の難しさは、被災された側を特別扱いすることからどう普段の生活に戻していくかかもしれない。
 そのあたりも、被災した側と支援者側の視点のズレが起こりやすい点だ。
 また、彼らが常に意識した点はその土地土地にあった支援活動をどう行うかということでもある。
 彼らは移動図書館に並べる本そのものを支援で手にいれることはなかった。募金活動で得た資金をもって、被災地の書店から購入する。
 活動全体が被災地支援になることを意識することがいかに重要かだ。

 たかが本かもしれない。
 しかし、本の世界がどれだけ広いか、彼らの活動はそのことを教えてくれる。
  
(2014/03/01 投稿)

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