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プレゼント 書評こぼれ話

  新型コロナウイルスのニュースの中に
  小さな訃報記事を見つけました。
  歴史学者山本博文さん死去。
  3月29日のことです。
  まだ63歳という若さでした。
  特に山本博文さんの著作を読んできたわけではないが
  その名前が覚えやすいので
  気になる歴史学者の一人だったのは間違いない。
  そこで今日は山本博文さんの著作から
  『江戸人のこころ』を
  紹介します。
  この本はさいたま市の図書館から
  電子書籍として貸出をうけました。
  電子書籍を読んだ感想はまた別の機会にして。
  今日の書評のタイトルに使った「ただ惜しむべきは」は
  滝沢馬琴が息子を亡くした際に
  知人への手紙に綴った文言です。
  きっと多くの人が
  山本博文さんの死にそう思われているのではないでしょうか。

  ご冥福をお祈りします。

  

sai.wingpen  追悼・山本博文さん -ただ惜しむべきは                   

 手紙を書いたのはどれくらい前だろうか。その逆もそうで、手紙をもらったのも随分前になる。
 ITが進んでメールでのやりとりが増えて、手紙を書くという習慣がうんと減っている。
 もしかしたら「恋文」などという言葉も死語に近いかもしれない。
 昔の文豪なら「夏目漱石書簡集」のように残された手紙でその人の心情などを追体験することもあったが、現代ではどうだろう。「村上春樹書簡集」といったものが出版されるとも思えない。
 この本の著者山本博文氏は東京大学史料編纂所で戦国時代以降の書状について研究し、そこで得た知見をわかりやすい語り口で多くの著作をものにしてきた。
 1992年には日本エッセイスト・クラブ賞も受賞している。

 山本氏はこの本の冒頭に「個人的には手紙を読むのがいちばん楽しい」と書いている。
 何故なら「過去の人物の心に迫ることができる」からだという。
 そんな山本氏が「歴史上の人物の感情がよく示されているものを選んで紹介」しているのが本書であるが、赤穂浪士で有名な大高源五や「南総里見八犬伝」の滝沢馬琴といった有名人だけでなく、その頃来日していた英国人にあてた遊女の「恋文」や大奥の女中にはいった名主の娘が親に小遣いをせがる手紙や天璋院篤姫の好物を国元に所望する手紙など多岐に及んでいる。
 討ち入りを前に母に宛てた大高源五の手紙など切ないが、山本氏のいうようにある面「楽しい」のは、歴史という流れに洗われたせいかもしれない。
 こういう本をきっかけに歴史に興味をもつようになれば、著者もどんなにかうれしいことだろう。
  
(2020/04/03 投稿)

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