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プレゼント 書評こぼれ話

  買った本は
  必ず読んでいるかといえば
  やっぱりそんなことはなくて
  結局「積読」している本も
  たくさんあります。
  今日紹介する
  司馬遼太郎さんの『新選組血風録』も
  そんな一冊で、
  え、あの司馬遼太郎さんの本を積読してたの、と
  叱られても仕方がありません。
  読みたくて買ったのに
  600ページ以上あるボリュームに恐れをなしていたのです。
  そして、
  新型コロナウイルスの影響で
  図書館が休みになって
  しからばと読んだのですが
  面白いのなんのって。
  「積読」している本に
  宝ものありますよ、きっと。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  『燃えよ剣』を読む前に読んでおきたい短編集                   

 幕末の京都にあって、新選組は殺人集団として市中では評判は悪かった。
 それでいて不思議なことに、新選組は現代でも人気が高く、今でも特集記事を組み雑誌があったりする。
 殺人集団と恐れながら、何故今でもこの集団は人気が高いのか。
 友情、崇拝、尊敬、侮り、裏切り、憎悪、妬み、無関心、まるで人間のありとあらゆる感情がこの集団に彷彿していて、人間の、特に青春期のいきようのない感情が、ここにあるからではないだろうか。

 この作品は司馬遼太郎が昭和37年(1962年)5月から12月まで「小説中央公論」に連載した短編集である。
 特定の個人を主人公にしたものではなく、15篇の短編の主人公はそれぞれ違う。
 近藤勇や土方歳三、沖田総司、斎藤一、篠原泰之進、芹沢鴨といった有名な隊士だけでなく(それにしても新選組にはスターが多い)無名な隊士まで描かれている。
 司馬遼太郎は後年「司馬史観」など歴史家のような顔を持つことになるが、初期の司馬の作品の面白さは抜きん出ている。
 土方歳三を主人公にして描かれた『燃えよ剣』は見事な青春文学だし、その作品がこの短編集を書き終えた昭和37年11月連載が始まっていることを考えれば、この短編集は名作『燃えよ剣』を生み出す、最初の原動力だったに違いない。

 土方歳三といえば、この短編集の中にもたびたび登場し、隊士からの評判はよくない姿を司馬は描いている。
 それでいて、司馬はそんな土方がかわいくて仕方がないようだ。
 土方歳三への想いが『燃えよ剣』に結実するのは、この短編集のあと、まもなくだ。
  
(2020/04/23 投稿)

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