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プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する
  葉室麟さんの
  『影踏み鬼 新撰組篠原泰之進日録』は
  単行本で出た2015年2月に読んでいます。
  その時にも
  このブログで書評を書いていますので
  今回は再読書評ということになります。
  先日司馬遼太郎さんの
  『新選組血風録』を読んで
  その後本屋さんで目にしたのが
  この葉室麟さんの作品の
  文春文庫版でした。
  正直葉室麟さんのこの作品のことは
  忘れていましたが
  本の方から
  読んでよと誘われたかっこうになりました。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  葉室麟さんが敬愛する司馬遼太郎さんの作品に寄り添って                   

 この作品の文春文庫版には朝井まかてさんの解説がついている。
 その中で、朝井さんは著者である葉室麟さんに電話でインタビューをしている。
 そのひとつが、数多くいる新撰組(この作品では「新選組」の表記ではなく「新撰組」となっている)の隊士の中で何故篠原泰之進を主人公に選んだということだ。
 葉室さんの答えは「新撰組の中で泰之進がいちばん好きだから」で、そのあとに葉室さんが尊敬する司馬遼太郎さんの名前をあげ、司馬さんの『新選組血風録』という短編集の冒頭の作品「油小路の決闘」もまた篠原泰之進を描いたものであることに言及している。

 しかし、司馬さんの篠原泰之進と葉室さんのそれはまるで違うような感じがする。
 司馬さんの泰之進はどこかニヒルぽいが、葉室さんの彼は葉室作品によく登場する心優しい感じが強くでている。
 また泰之進が心を寄せる女性像もまた違う。
 歴史上のこととしてどちらの作が史実に近いのか知らないが、どちらにしてもこの二つの作品は作者の創作がかなり色濃く入っている。

 特に葉室作品の場合、篠原泰之進と坂本龍馬の交流が描かれているが実際にはなかったのではないか。
 まして、龍馬が暗殺され夜、泰之進が龍馬のいた近江屋まで訪ねたというのはないだろう。
 それでも、葉室さんは龍馬を描きたかったのではないだろうか。
 尊敬する司馬さんに寄り添うようにして。

 いずれにしても篠原泰之進は新撰組にあって維新後も生き延びた一人だ。
 新撰組の面白さは彼のように時代の波に翻弄されながらも、生き抜いた人間がいたからともいえる。
  
(2020/04/28 投稿)

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