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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  昨日出たばかりの新刊
  村上春樹さんの
  『猫を棄てる 父親について語るとき』を
  紹介します。
  これは昨年発表されて
  話題をよんだ長めのエッセイですが
  長めといっても
  1時間ぐらいで読めてしまいます。
  「文藝春秋」に掲載されたものですが
  今回単行本化にあたって
  加筆されたとはないので
  そのままなのでしょうが
  単行本には「あとがき」がありますので
  この文章だけでも
  読み応えがあります。

  じゃあ、読もう。

  

  sai.wingpen  父親の歴史を継いだものとして                   

 川上未映子さんの問いかけに村上春樹さんが答える、そんな長時間インタビュー集『みみずくは黄昏に飛びたつ』の新潮文庫版には、この本、つまりは村上さんが自身の父親について綴った長いエッセイについて、「書くのは一種の義務」だと語っている。
 そして、父親の戦争体験を「語り継がなくちゃいけないと思っていた」と述べている。

 このエッセイが総合誌「文藝春秋」の2019年6月号に掲載された時は随分と話題になった。何しろ村上さんはたくさんのインタビューやエッセイを残しているが、個人的な事柄についてはあまり語ってこなかった。
 特に父親についてはなかなか難しい関係であったようで、このエッセイにも「僕と父親とのあいだの心理的な軋轢は次第に強く、明確」になっていたと書いている。
 しかも、村上さんが職業作家になって以降、「絶縁に近い状態」だったともある。
 そんな父親との関係がありながらも、このエッセイで「父親について語る」のは、やはり「戦争」という事柄があったからだろう。

 この本の「あとがき」に「戦争というものが一人の人間の生き方や精神をどれだけ大きく深く変えてしまえるか」ということを描くとすれば、村上さんの前に父親がいたということだろう。
 それは極めて個人的な係累かもしれないが、村上さんにとってやはりそれは書いておかなかればならないことであったのだと思う。

 だから、村上春樹という作家の、これは独立した、そして屹立しているエッセイなのだろう。
  
(2020/04/24 投稿)

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