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プレゼント 書評こぼれ話

  新型コロナウイルスの影響で
  図書館が休館になっている間に
  沢木耕太郎さんの新刊が
  何冊も刊行されていました。
  ようやく
  図書館が予約本の配本を再開してくれたおかげで
  やっと読めるようになります。
  今回がその1冊め、
  『旅のつばくろ』という
  旅行記。
  「つばくろ」というのは
  燕のこと。
  この本の中の一節。

    後悔なしに人生を送ることなどできない。
    たぶん、後悔も人生なのだ。

  うーん、さすが沢木耕太郎さん。
  しびれます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  年老いた者よ、旅に出よう                   

 先日新聞に小さなインタビュー記事が出ていた。
 そこにはあるホテルマンが、実際にはその人は女性だったからホテルウーマンというべきだろうが、どのようなきっかけでその業界に進んだかということが書かれていて、彼女は沢木耕太郎さんの『深夜特急』を読んで旅の面白さに誘われたと答えていた。
 まだ若い女性だったから、沢木さんのこの本が出たばかりの頃ではなく、文庫本になってからの読者かもしれないが、一冊の本との出会いがその人の人生の行く末を照らすことも確かにあるのだと、思い知らされた。
 『深夜特急』は沢木耕太郎さんが二十代の時に香港からインド、そしてユーラシアの街々を旅した旅行記だが、1986年に刊行以来、今でも若い人には人気があるという。

 その旅からほぼ半世紀を経て、沢木さんが「ただその土地を歩きたいために行くという旅」をしてこなかったという日本国内の旅を綴ったのが、この本だ。
 東日本への旅が多くなっているのは、もともとがJR東日本が発行している「トランヴェ-ル」という雑誌に連載されたものだから、仕方ないかもしれない。
 ただ二十代の時の旅と今回のそれが決定的に違うのは、過去の自分と向き合う頻度が圧倒的に多くなったことだろう。
 さすがに沢木さんも70歳を過ぎて、旅の本質が変わって当然だろう。
 かつて自分を育ててくれた先輩や友達のこと、何者かになろうと悩んでいた若き日の自身、今回の旅はそんな自分との向き合う旅だ。

 この旅行記を読んで若い読者は新しい旅をめざさないかもしれないが、まだまだジーンズの似合うシニアたちは旅の支度を始めるのではないだろうか。
  
(2020/05/29 投稿)

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