FC2ブログ
プレゼント 書評こぼれ話

  動物園にしばらく行っていない。
  子供たちが大人になって
  動物園を行くという機会がなくなったが
  小さい子供と行かなければならないということもない。
  大人の愉しみとして
  動物園があってもいいと思う。
  今日は
  あべ弘士さんの『エゾオオカミ物語』を
  紹介しますが
  よく知られているように
  あべ弘士さんはもともと
  旭川市の旭山動物園に25年間勤務されていた
  絵本作家です。
  動物の絵本なら
  あべ弘士さんといえるのではないでしょうか。
  だから、大人だって
  あべ弘士さんの絵本を
  愉しむのも
  あっていいと思います。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  生きるものたちを感じる絵本                   

 絵本は、絵と文の配分が絵の方が多いものをいうのだろう。
 文が多くなれば童話もしくは物語となって、絵は挿絵と呼ばれるようになる。
 だから、絵で多くを語ることになる。
 あべ弘士さんの、今は絶滅したエゾオオカミの物語を描いた絵本も、壮大な大河のような物語が文字で多くを語るのではなく、絵がそれを伝えている。

 ある寒い夜、小さなモモンガたちがふくろうから物語を聞く場面から始まる。
 まるで、年老い知恵者から昔話を聞くような始まりは、物語の導入部として期待が高まる。
 ふくろうが語り始めたのは、昔北海道に生息していたエゾオオカミのこと。
 あべさんはここで一匹のエゾオオカミの全身を描いている。
 ここからすでに物語は始まっている。
 かつて、シカと共存していたというエゾオオカミ。シカを殺して食べることでエゾオオカミは生き、シカもまた数のバランスを保っていたという。
 ある年、大雪が降って、シカがいなくなった。
 エゾオオカミは仕方なく村の馬を襲う。
 いのちのバランスが崩れた瞬間だ。
 人はそんなエゾオオカミを殺して、絶滅させてしまう。
 わずか100年ほど前のこと。

 あべさんの絵は写実ではないが、描かれる動物たちの鼓動が聞こえる気がする。
 強い鼓動であったり、深い息づかいであったりを感じることができるのが不思議だ。
 長大な抒情詩ともいえるこの作品で、文字数は限られているが、絵は多くのことを語っている。
 そう、まるで100年の時間のような悠久を。
  
(2020/07/05 投稿)

    芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/4378-0303915a