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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  紗倉まなさんの
  『春、死なん』という中編集を
  紹介します。
  書評にも書きましたが
  紗倉まなさんは現役のAV女優です。
  あるインタビューで
  「執筆活動は「『紗倉まな』の仕事をしている延長線にあって、
  作家とは決して名乗れない」と
  答えていますが
  作家として最近とても評価されている
  有望な新人でもあります。
  この本のタイトルは
  西行

    願はくは花のしたにて春死なん そのきさらぎの望月の頃

  から採られているとか。
  さあて、紗倉まなさん
  将来芥川賞作家になるでしょうか。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  性はいつまでもつきまとう                   

 異色の、新人女性作家と呼ばれることの多い紗倉まなさんの中編二編を収めた作品集。
 何故異色なのか。実は紗倉まなさんは現役の人気AV女優でもあるのだ。
 もっとも漫才師でも芥川賞作家だし、主婦であっても会社員であっても小説を書くのだから、ことさらAV女優といって騒ぐことではないかもしれない。
 作者のそういうことを知らないでこの作品を読んで、彼女がAV女優だと言い当てる人などいないだろう。
 とてもまっとうな小説だといえる。

 表題作である「春、死なん」は、「老人の性」を扱った作品といわれる。
 妻を亡くして、一人で暮らす70歳の男富雄が主人公。
 一人で暮らすといっても、息子が作った二世帯住宅に住んでいるから、まったく不自由するわけではない。
 ただ心の隙間が埋まらない。
 富雄は時にAVビデオを借りたりして、隙間を埋めようとしている。
 偶然大学の頃に一度寝たことのある文江と再会し交際を深めていく。
 そして、富雄と文江は肌を重ねることになる。
 そんなあらすじながら、決して性ばかりを描いた作品ではない。
 富雄という男性の横に住む息子一家の姿を通して、現役の夫婦もまた互いに理解しあえない姿も描かれていく。

 もうひとつの作品、「ははばなれ」は、自分を生む時帝王切開をした母との関係を描いた作品。
 性はその後出産を経て生を得る。その生もまた性を営む。
 そんな連鎖を描いたともいえる作品である。
  
(2020/07/21 投稿)

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