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プレゼント 書評こぼれ話

  一昨日の15日の夕刻
  第163回芥川賞直木賞の受賞作が
  発表されました。
  芥川賞高山羽根子さんの『首里の馬』と
  遠野遥さんの『破局』の2作が受賞。
  直木賞馳星周さんの『少年と犬』。
  まずは、おめでとうございます。
  馳星周さんにとっては
  初候補から23年めにしての受賞ですから
  すごいもの。
  ノミネートも7度というから
  まさに直木賞候補の常連でした。
  でも、直木賞の規定では
  「無名若しくは新進作家の大衆文芸」から選ばれるとなっていて
  馳星周さんの場合
  決して無名でもないし新進作家でもない。
  今までの受賞者でも
  しばしばこういうことが起こるのだが
  どうも選考基準がよくわかりません。
  そこで
  今日は直木賞といえばこの人
  川口則弘さんの『直木賞物語』を
  再録書評
  紹介します。
  本当に、
  直木賞って、何?

  じゃあ、読もう。

 

sai.wingpen  直木賞って、何?                   

  著者の川口則弘さんは「直木賞研究家」を自認し、「直木賞のすべて」という素晴らしいホームページを運営している。
 そんな川口さんに出版の話がきたのは、「芥川賞」のことだった。先に上梓した『芥川賞物語』である。
 その「あとがき」で川口さんは「芥川賞よりも直木賞が好き」と書き、それでも「自分の本が出せる誘惑に勝てず」と苦しい胸の内を吐露している。
 しかし、待てば海路の日和あり。ここに念願の『直木賞物語』が完成したのである。

 2014年に第150回を迎えた「直木賞」であるが。これまでの受賞者は実に179名に達する(ちなみに、本書は第149回までの受賞記録なので177人の受賞者が紹介されている)。
 回数よりも受賞者数が多いのは、二人受賞が多いせいだ。(もちろん、受賞者ナシの回もある)
 そこに、「直木賞」らしさがあるといってもいい。
 1934年(昭和9年)に菊池寛によって制定された「直木賞」・「芥川賞」だが、「芥川賞」の対象が「純文芸」だったのに対して「直木賞」は「大衆文芸」がその対象とされた。
 「大衆文芸」といってもその範囲は広い。推理小説。時代小説、ミステリー、経済小説等々さまざまある。そのせいで、直木賞の間口は広くなり、受賞対象者も多くなったといえる。

 本書は単にその時々の選考結果を記録したものだけではない。
 ここにあるのは「直木賞」そのものがもっている、不可思議さといえる。
 500頁近い大作ながら、では「直木賞」という文学賞はどんな賞なのか判明しない。「大衆」向きなのか、「文芸」向きなのか、さえわからない。
 川口さんは、それこそ「直木賞」の魅力だと考えている。
 「頼りなくて、だらしがない。とにかく頑迷で、世間知らず」と、「直木賞」のことを川口さんは評している。
つまり、とても人間くさい文学賞といえる。
 もしかすると、今まで受賞してきた「直木賞」の作品よりももっともその制定の趣旨に近いのが、賞自体かもしれない。

 これから先、「直木賞」がどのような作品を選び、どんな作家に賞を与えるのかわからないが、「芥川賞」よりは面白いといえる。
 たとえ、直木三十五がどんな業績の人だと忘れられても。
  
(2014/02/21 投稿)

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