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プレゼント 書評こぼれ話

  今年は
  コロナ禍の影響で
  お盆に帰省するとかしないでとか
  色々な意見があるようで
  いつもと違ったお盆の風景になっています。

    盆の客みんな帰つてしまひけり      藤本 安騎生

  この句のように
  帰ってきてうれしいですが
  また戻っていくのも寂しいものです。
  今日は
  三浦哲郎さんの
  『盆土産と十七の短篇』という
  中公文庫オリジナル短編集を
  紹介します。
  表題となった「盆土産」は
  都会に出稼ぎに行っていた父が
  盆の帰省で珍しい土産を買ってくる
  短篇です。
  さて、珍しい土産とはなんでしょう。
  今日の書評にその答えがあります。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  いい短篇は清涼剤のよう                   

 三浦哲郎さんが亡くなって、この8月で10年になります。(亡くなったのは2010年8月29日)
 今年(2020年)の夏で163回になった芥川賞の長い歴史の中でも、三浦さんが受賞した『忍ぶ川』(1960年第44回)はとても印象に残る作品で、さらにこの受賞後の三浦さんの活躍を思えば実に妥当で賢明な受賞であったと思います。
 三浦さんには自身の生家についての暗い過去があり、それは『忍ぶ川』でも描かれていますし、その他多くの長編小説でも書き続けています。
 その一方で、三浦さんは短篇小説の名手でもあり、中公文庫のオリジナル文庫となったこの本も書名のとおり、18篇の短篇小説が収められています。
 しかも、その多くは中学や高校の国語の教科書に採用されたものですから、三浦文学を教科書で知ったという人も多いかもしれません。

 この文庫には短篇以外にも自作について書いた随筆が3篇収められていますが、そこには作品についてのことだけでなく、三浦さんが短篇小説を書く際に心がけていた秘訣のようなことも書かれています。
 それは例えば、「気に入った書き出しさえ得られれば、あとの苦労はむしろ楽しみ」といったこととか、「書き出しの一行に恵まれたあとは、一筋道の途中であまり難渋することもなく」といったように、書き出しが自身にとっていかに大切であるかを、繰り返し綴っています。
 表題作でもある「盆土産」の書き出しが「えびフライ、と呟いてみた。」とあるだけを思えば、やはり小説家とは奇妙な構造をしているのだと、私などは思ってしまうのですが。
  
(2020/08/15 投稿)

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