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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は昨日のつづき。
  池井戸潤さんの「半沢直樹」シリーズ
  『半沢直樹 4 イカロスの翼』を
  再録書評
  紹介します。
  ちょうど今ドラマで放送されているのが
  この原作部分になります。
  読んだのが
  もう6年前になりますから
  どんな結末だったのか
  覚えていません。
  だから、ドラマの展開が楽しみだといえます。
  原作が書かれてから6年。
  働き方改革とかテレワークとか
  働く人たちの環境も様変わりしていますが
  それでも
  半沢直樹がうける。
  根っこで変わらないものが
  あるんでしょうね。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  「倍返し」効果はここでも有効                   

 バブル経済が崩壊したあと、多くの企業が倒産の危機に見舞われた。それまでもっと も信頼のおけた銀行も同じであった。
 2000年代にはいって、銀行にも合併の嵐が吹きすさぶ。
 それによってそれまで都市銀行13行と呼ばれていたものが、4大メガバンクへと集約されていく。
 若い人にはかつての呼び名の銀行名をいっても実感はないかもしれない。
 たくさんの水が橋の下を、堅牢なはずの銀行の下を、流れていった。

 半沢直樹シリーズの4弾めのこの作品は、大手航空会社の再建計画に乗り出した半沢直樹の活躍を期待する読者を多いだろう。
 大手航空会社といえば日本航空の破たんと再建がすぐさま頭に浮かぶ。リアルな情報でいえば、稲盛和夫という現代の日本の経営者ではトップといえる経営者を配し、見事に再離陸したことは周知である。
 しかし、これは小説である。
 しかも、半沢直樹というスーパーヒーローが主人公である。
 半沢がどう再建させるのか読者の期待はどうしてもそこに集まるだろう。
 その点では、読者は肩透かしを蒙るだろう。
 そして、違う面で溜飲をさげるのではないか。
 この作品では合併で巨大化した、半沢が勤める東京中央銀行そのものが問われている。

 東京中央銀行は東京第一銀行と産業中央銀行が合併して誕生した。小説の中では10年前となっている。
 体質の違う二つの銀行が合併したことで軋轢が生じ、合併後の頭取たちは行内融和という難問に立ち向かわざるをえない。
 ひとつの企業で向く方向が違えば、計画や実行に支障が出ることは自明だ。企業を大きく前進させるのは、そこで働く人たちの結束といっても過言ではないだろう。
 政治家も介入してくる大手航空会社の再建に、いまなお、かつての銀行が背負っていた負の遺産が大きく覆いかぶさってくる。
 半沢直樹や金融庁の黒崎といったシリーズならではの登場人物を配しつつ、この作品では合併から10年の歳月を経ながらも苦悩する銀行マンの姿がもっとも胸を打つ。

 お馴染みの「倍返し」もこの作品ではカタルシスを喚起するほどの力はない。
  
(2014/09/16 投稿)

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