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プレゼント 書評こぼれ話

  朝日新聞日曜書評欄の「百年読書会」(重松清ナビゲーター)の、
  新年1月の課題図書は、
  ノーベル賞作家川端康成の『雪国』です。
  冒頭の書き出しはあまり本を読まない人でも知っているほど有名。

   国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。

  この文章のようにあまり有名になると、
  その一行だけで読んだ気分になってしまいます。
  そういう作品は本当は作品として少し可哀想ですよね。
  やはり全文を読んでこそ、
  作品としての価値がでるというもの。
  ぜひ、みなさんもこの機会に
  一度読んでみてはいかが。
  今回も書評句とともにお楽しみください。

  じゃあ、読もう。

雪国 (岩波文庫)雪国 (岩波文庫)
(2003/03)
川端 康成

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sai.wingpen  日本語の見本帖                

  雪国に 居わす男や 天の河
 
 冒頭の有名な書き出しは知っていたが、全文を読むのは初めてだった。駒子、葉子、島村という登場人物の名前は知っていたが、三人の関係を読むのも初めてであった。にもかかわらず、この物語をどのように説明すればいいのだろうか。この三人の関係をどう伝えればよいのか。雪国へと至る国境の長いトンネルが、いつまでも続いている。出口のない、長いトンネルである。
 それでも本作が日本文学屈指の名作と評価されるとすれば、それは美しい情景の描写を措いて他にない。雪国の細やかな風景、かそけき光の内にある闇、夜の帷に燃えさかる火事、そして降りそそぐばかりの天の河。それらが幾重にも縒れ鮮やかな織り糸となり、人の情痴の激しさをも織り込んでいく。それはもはや夢幻の世界である。
 日本語の美しさの見本帖のような作品といっていい。
  
(2010/01/03 投稿)

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