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プレゼント 書評こぼれ話

  コロナ禍の夏に公開された
  映画「MOTHER マザー」。
  主演の長澤まさみさんの演技が話題となりましたが
  この映画のベースになった事件を扱った
  ノンフィクションがあります。
  それが
  今日紹介する
  山寺香さんの『誰もボクを見ていない』です。
  ここに書かれているのは
  もちろん事実ですし、
  この国には「居所不明児童」がたくさんいるということを
  私たちはしっかり受け止めないと
  いけません。
  映画はいつか観たいと
  思っています。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  答えは彼が見つけるしかないのかもしれない                   

 事件も事故も自然災害も毎日のように発生し、過ぎ去っていく。
 その時々では大きな関心を集めても、やがて人々の記憶から忘れさられていく。
 この本で取り上げられる事件も、またそんな一つかもしれない。
 2014年3月、といえば、まだ6年しか経っていない。(ちなみにこの本が出版されたのは2017年6月)
 埼玉県川口のアパートで起こった殺人事件。70代の老夫婦が刺されて死亡。犯人は孫の17歳の少年という、痛ましい事件。
痛ましいけれど、子が親を、あるいは親が子を殺してしまうような事件に、私たちはあまり驚かなくなっている。親がわが子を殺してしまう世の中であれば、孫が祖父母を殺してもびっくりしない。
 しかし、この事件はそれだけではなかった。

 犯人である少年の生い立ちが明らかになっていくと、きっと誰もが我が耳を疑うだろう。
 少年は行政が居場所を把握できない「居所不明児童」で、小学5年から学校にも通っていないこともわかってくる。
 著者は毎日新聞の記者で、裁判の過程で判明してきた事実を丁寧に追いかけていく。
 少年が母と幼い妹を連れ、働いていた会社を訪ねたり、少年たちが2年近くも暮らしたというモーテルの従業員に話を聞いたりして、少年が祖父母殺害までの軌跡を追う。
 そして、浮かんでくるのが母親の存在。
 働くこともせず、自己の快楽に興ずる母親。
 だが、残念ながら記者の追求は母親の闇にまで届いていない。
 老夫婦が殺されたという事実。二人を殺したのが17歳の少年という事実。
 しかし、何故少年が老夫婦を殺さなければならなかったのか、その理由に私たちはたどり着けない。
  
(2020/09/05 投稿)

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