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プレゼント 書評こぼれ話

  8月下旬の書店の売上げで
  文芸部門の1位は
  今日紹介する
  村上春樹さんの短編集
  『一人称単数』で
  やはり村上春樹さんは強いという
  印象をもちました。
  久しぶりの短編集でもあるので
  余計に読まれているのもしれません。
  書評にも書きましたが
  私は村上春樹さんの短篇は
  長編より好きです。
  口当たりがとてもいい。
  今回の短編集も
  好きです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  阪神タイガースではなくヤクルトが好き                   

 『職業としての小説家』という自伝的エッセイの中で、村上春樹さんは自分は「長編小説作家」と見なしていると書いています。
 では短篇小説は嫌いかといえば、「好きだし、書くときはもちろん夢中」になっているとも書いていますが、「僕にとっては長編小説こそが生命線であり、短篇小説や中編小説は極言すれば、長編小説を書くための大事な練習場」ともあります。
 けれど、村上さんの愛読者の中には短篇小説の方が好きという人も当然いて、私もその一人ですが、練習場で一生懸命走っているのもいいのではないか、あるいは練習を終えてこれから長編小説にはいっていくんだなと予感するのも楽しみでもあります。

 おそらく2018年から2019年にかけて、村上さんは「また短篇が書きたくなってきたな」期にはいったのでしょう。
 この短編集に収録されている8篇の短篇のうち7篇はこの期間に文芸誌「文學界」に掲載されたもので、表題にもなっている「一人称単数」だけが書き下ろしである。
 この期間に村上さんは自身の父親について初めて書いた『猫を棄てる』というエッセイを発表(「文藝春秋」2019年6月号)しているが、ほぼ同時期に「「ヤクルト・スワローズ詩集」」という短篇も書いていて、その短篇でも父親とのことが綴られている。
 もちろんエッセイと小説では描かれている世界が違うが、とても興味をもった短篇だった。

 もう一篇気になったのは「謝肉祭(Carnaval)」という短篇。
 その中に学生時代の逸話として女の子からもらった連絡先を書いたメモをなくす話が書かれているが、それは初期の短篇小説「中国行きのスロウ・ボート」に出てきたエピソードにそっくりで、村上さんの短篇がまるで円のようにぐるりと回った感じがした。
  
(2020/09/10 投稿)

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