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プレゼント 書評こぼれ話

  芥川賞
  この上半期で第163回を迎えていますが
  その中でもう一度
  読んでみたいと思う受賞作は
  やはり自分が若い頃読んだ作品になります。
  今日は
  1977年、第77回の芥川賞受賞作となった
  池田満寿夫さんの『エーゲ海に捧ぐ』を
  紹介します。
  書評タイトルにつけた
  「あの歌も思い出します」は
  ジュディ・オングさんが歌った
  「魅せられて」のこと。
  1979年の大ヒット曲です。
  私自身もまだ20代になったばかりで
  そういうこともあって
  印象に残っているのでしょうね。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  あの歌も思い出します                   

 第77回芥川賞受賞作。(1977年)
 この時の詮衡はえんえん3時間を超したといわれ、この回を持って選考委員の一人永井龍男氏が選考委員を辞任することになった問題作である。
 この作品の作者池田満寿夫氏はすでに版画家として国際的に名をなした芸術家であったことから、中村光夫選考委員は「氏を芥川賞の対象となる「新人」と見てよいかについては、多少の疑問」と選評に記しているが、問題はそこではなかった。
 永井龍男委員は、この作品を「空虚な痴態だけが延々と続く」だけで、「これは文学ではないと思った」と酷評する。そして、この作品より先に芥川賞を受賞した村上龍氏の『限りなく透明に近いブルー』と合わせて、自分には「前衛的」な作品を評する資格がないのではと辞任に至るわけである。

 永井委員のような反対意見がある一方で、先の中村光夫委員は「抜群の出来」と絶賛している。
 おそらく気分的には、この作品が芥川賞にふさわしいかどうか、のちの歴史が証明するということだろう。
 受賞当時にこの作品を読んで、ほとんど半世紀近くなって再読したが、私はこの作品を永井委員のいうような「空虚な痴態」とは思わなかった。
 東京の妻からの嫉妬の国際電話が外国の地にいる主人公にかかっている。その主人公の前では2人の外国の女が肌を絡ませている。
 それがひたすら描かれているのであるが、長い、ここでは書かれなかった物語の一挿話を切り取った作品だと思えば、読みにたる作品だと感じた。

 それにしても、池田満寿夫氏が亡くなったのは1997年だから、すべて遠い日の出来事のようだ。
  
(2020/09/23 投稿)

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